ゲッサンで一番からかい上手なのは高木さん、それは間違いありません。
しかし高木さんがまだゲッサンminiに掲載されていた時代、ゲッサンで一番のからかい上手は「月曜日は2限から」の咲野さんでした。
咲野さんのからかいは、高木さんのからかいより悪ふざけ感が強く、相方は辛抱強い人である必要があって。
その相方の居村くんは、基本的にその悪ふざけに振り回されます。
ただ時には的確にツッコミ、時にはしょうがないから付き合ってやるよ……という溢れる悪友感に、思わずニヤっとしてしまう魅力がこのマンガにはあって。
この世界のどこかにきっとある、いつまでも続いて欲しい楽しい日々。
「月曜日は2限から」は、楽しかった学校生活体験を踏襲した、眩しくも懐かしい日々が詰まっている作品なのだ……
遅刻した咲野(お題箱) pic.twitter.com/bQWUIEWVM4
— 斉藤ゆう (@54110yu) 2017年6月2日
からかい上手の咲野さん
咲野さんと居村くんの通う学校は、そこそこ頭のいい進学校。
その中で、咲野さんは金髪で遅刻魔という不良生徒。周りからなんとなく避けられていましたが、ひょんなことから居村くんに懐いてしまって。
そこから始まる、咲野さんに振り回される騒がしくも楽しい日々に、ニヤニヤが止まらなくなってしまう。
物語を動かしていくのは、いつも咲野さんです。
他愛もない軽口で、居村くんをからかう。
人混みの仲、悪友以上恋人未満な関係の男女。
少し照れながら、安全のため手を繋ごうかと誘う居村くん。
正月らしい返しをした後に、断って。
自分との待ち合わせに遅刻して、走ってきた居村くんのことを考えて。
甘酸っぱい、青春に満ちた言葉が紡がれる。
こんな風にからかわれたかったと思わせる、この破壊力よ……
ずっと読んでいたくなる会話劇
最近紹介したマンガ「うたかたダイアログ」もそうですが、個人的に会話劇が好きというのがあって、いい会話劇は本当にずっと読んでいたくなってしまいます。
月曜日は2限からの会話劇もまさにそうで、ずっとキャラが話している風景を見ていたいという気持ちにさせられてしまう。
会話劇はテンポが重要だけど、欲しいところで居村くんの絶妙なツッコミが炸裂し、読んでいて楽しいという気持ちがずっと続く。
他と違うひまわりに、つい目がいってしまう居村くんがおもしろい。
隣にいる咲野さんが普通のことをしてくれないせいで、敏感になってしまっているのが分かってしまうのだ。
咲野さんと居村くんのこういう腐れ縁的な関係が、羨ましいのは私だけではないでしょう。
この二人の関係は本当に絶妙で、甘酸っぱさも感じさせながら、二人共どこかで「もうちょっと悪友でいたい」という空気が漂わせている。
咲野さんがちょっと甘える仕草を見せた時なんか、こんな学校生活を送りたかったと強く思ってしまう。
傘を刺さずに登校して濡れてきたヒロイン。
咳をした咲野さんを居村くんが心配するのは、当然の反応です。
しかしそこはヒロイン。咳すら前フリというから痺れてしまう。
コンコンとだけで通じるこの感じが、ホント大好き
ずっと一緒にいるから、どういう意図かわかることがあって。
思わず感心して、その後どうしようもないくらいニヤニヤしてしまいました。
僕らの風紀委員長
この漫画の主要キャラは、咲野さんと居村くんの他にももちろんいます。
物語後半になると新入生も入ってきて、作品はだいぶ賑やかに。
でも咲野さんと居村くん以外を今回紹介するならば、僕らの風紀委員長であるちーこしかない。
風紀委員長であるちーこは、咲野さんをこらしめる役割でしたが、いつの間にか懐柔されてしまい、すっかりいいお友達になってしまいます。
このあたりのチョロさがもうかわいい。
怪我をした咲野さんの代わりに走ったちーこ。そのレースの勝敗を居村くんとかけていたけれど、賭け事をしていたことをちーこに咎められてしまう。
なのにいつの間にか、悪者は居村くんだけになっている。
ちーこチョロすぎぃ!
すっかり咲野さんに転がされちゃっています。
でも友達が少ないちーこは、転がされる自分もそんなに嫌いではなくて。
そういう関係性が透けて見えるから、読んでいてついついニヤッとしてしまう。
この3人がワチャワチャしている光景が大好きではありますが、ちーこと誰かという二人の組み合わせも大好き。
居村くんと組み合わせると、最初は咲野さんと戦うための戦友だった関係から、変化していることがよく分かってしまうのだ。
居村くんの誕生日プレゼントに、イヤホンを送るちーこ。
まさか玄関先で、こんなドキドキイベントが発生することになるなんて……もう!
こういうシチュエーションになれてなくて、素直に気になると言ってしまうちーこがかわいい。
毎年の誕生日をこうやってちーこと過ごしたい。
そう思ってもおかしくはないでしょう。
毎年1回だけ浮かれることをちーこから許される。風紀委員長と一緒にいるにはそれくらいの我慢が必要なのだ!
終わりに
作者は本作が連載デビューということもあり、初期の方は結構絵が粗かったりします(笑)
それでもこの記事を書くために読み返した時、「いいシーンばっかりだよ……」と思わずつぶやいてしまいました。
1つひとつの破壊力があるわけではありませんが、気がつくとついつい手にとって読んでしまう魔力……もとい魅力がこの作品にはあります。
感覚的ではありますが、多分「からかい上手の高木さん」が好きな方には結構合うんじゃないかと。
アニメも好調な高木さんを見ていて、ふとこの作品のことを思い出して、今回記事にしてみました。
ゲッサンのCMで、月曜日は2限からが紹介されるのを見てみたかった……
この世界のどこかにあるんじゃないかと思ってしまう、騒がしくも楽しい彼らの日常が私は大好きです。
すでに完結済みの作品ではあるけれど、もっとこの作品を読む人が増えて欲しいなあ。