いつかたどり着く

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漫画とかの駄文書く。

この面白さには、抗えない。幼なじみの恋が芽吹いていく、「初恋ゾンビ」が最高なのだ!

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これがラブコメだ!と思わず笑ってしまった。そして、後に凄まじいシーンへと繋がっていく……


読まないなんて勿体無い!


心からそう言える漫画が、どれくらいあるでしょうか。
初恋ゾンビという漫画は、ラブコメが好きな人には確実におすすめしたいし、ラブコメがそんなに好きな人ではない人にも、ぜひ読んでくれと言いたくなります。


それほどまでに、この漫画は面白い。


先週、初恋ゾンビの単行本9巻が発売されました。
9巻の見所はいくつかありますが、何と言っても幼なじみの江火野さんの恋模様が最大の注目ポイント。


江火野さん祭りと言っても、過言ではないでしょう。
いや、エビナーとして声を大にして言いたい。
9巻は、江火野さんのためにある。


幼なじみという近くて遠い距離感の中で、江火野さんは自分の知らないタロウを知っていく。
二人は少しずつ、「ただの幼なじみ」ではなくなっていく。


初恋ゾンビという物語の中で、江火野さんが育てた気持ちがついに芽吹いたとき、読者はただ悶絶するしかありませんでした。


自分が変わっていくことに、気づいて


9巻では、江火野さんがこれまで育てた気持ちが、少しずつ表に表れ始めます。
きっかけは、省エネ男であるタロウが、面倒な選挙作業を熱心に手伝うことに、江火野さんが疑問を覚えた時。
疑問自体は、タロウをよく知る人間なら普通の反応です。


なぜ、そんなに頑張るのか?


タロウに質問するならば、こんな形でしょう。
今までの江火野さんだったら、きっとそうしていた。


でも今の江火野さんには、育てた気持ちがある。
なぜタロウが頑張っているかという疑問に、自分なりの答えを持っていました。
いや、答えではなく、それは希望でしょう。


あたしのため…?


江火野さんはそう聞きます。
そしてそう質問した自分に、驚いて。変わっていく自分に、気がついて。


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江火野さんの心が、鮮やかに色づいていくのがわかる。


この漫画の他のヒロインと江火野さんが明確に違う部分は、江火野さんの気持ちは現在進行系で育っているということ。
指宿くんの恋は昔からの恋であり、イヴは最初からタロウが好きで。
江火野さんの恋模様は、作中を通して育まれたものです。


江火野さんの気持ちが膨れていくたびに、何だか無性に嬉しくなって、ニヤニヤしてしまう。
少しずつ育つのを見守ってきた、恋模様だから。


冒頭の、江火野っぱいに潰されるシーンも、ただのラッキースケベで終わらず、互いに異性であることを意識させる展開へとつなげていくから、この漫画は本当に素晴らしい。


江火野っぱいに潰された時、別箇所でイヴがタロウの負荷が上がるような行動をしたため、タロウは額から出血してしまいます。
でも江火野さんはイヴのことを知らないため、出血は自分のせいだと勘違いしていて。


江火野さんを心配させないように、かなり照れながら、タロウは軽口を叩く。
江火野っぱいがぶつかってきて、本当は鼻血を出す予定が、血が上に行き過ぎておでこから出ただけだと。


そう言って逃げていくタロウに対しての江火野さんの反応は、筆舌に尽くし難いほど魅力的だった。


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甘酸っぱくて狂いそうになる。


ヒロインがバカというシチュエーションは大好物ですが、もうこれは「至高のバカ」として個人的漫画史に記録したい。
ギュッと抑えた胸は、きっとタロウを押しつぶしてしまった時の感触を思い出して。
まだ気づいていない、タロウへの「愛しさ」が、江火野さんの心臓を高鳴らせているのが容易に読み取れてしまい、ニヤニヤが止まらない。


愛しさ溢れるヒロインの「バカ」は、ラブコメにおいて最高のご褒美なのだ……


この話は他にも印象的なシーンが散りばめられていて、この記事では正直語り尽くせません。
雑誌掲載時の個別記事があるので、合わせて読んで頂ければと思います。


www.itutado.com

幼なじみの恋の芽吹きに、悶えよう


文化祭編を読めば、誰しもが9巻は江火野さんのためにあると言いたくなるはずです。
単行本の表紙に江火野さんのジュリエット姿が描かれていることからもわかるように、文化祭でのクラスの出し物は、ロミオとジュリエットの演劇。


指宿くんは男女逆転でもしない限りジュリエットにはなれないし、イヴは初恋ゾンビなので出し物には参加できない。
ヒロイン勢の中で、江火野さんがジュリエット役に選ばれるのは、当然といえば当然です。
さらに、交代交代でロミオとジュリエットを演じる変則的な劇の中で、タロウと江火野さんの出番が重なるのは、ロマンスの神様も期待しているからでしょう(笑)


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ロマンスの神様、今日もありがとう(真面目)


江火野さんはロミオとジュリエットという物語をよく知らないけれど、台本を読めば、タロウと恋人役を演じることは理解できてしまう。
理解して、意識して、赤面せずにはいられなかったのだ。
台本を抱きしめるかのようにしている江火野さんから姿から、愛しさが溢れ出していたのはきっと気のせいじゃない。


ここに、日本一体育座りが可愛いヒロインがいる……!!


江火野さんが見せる乙女の表情に、完全に魅了されてしまいました。


ただし、すんなりとロミジュリを演じる展開にはならない。
江火野さんに恋する人吉くんの初恋ゾンビが暴走し、イヴを苦しめる展開に。
指宿くんのアドバイスも多少影響したのか、タロウはロミオ役を譲るという選択を取り、江火野さんにそれを伝えました。


傍から見るとそれは、タロウがここ最近見せるようになった、「他人の恋」をくっつけるという行為でしょう。
江火野さんも、その現場を何回か見ています。
でもそれは、「自分」じゃない「誰か」で。


自分が「誰か」の側に回ることは、考えていない。
考えたくなかった。タロウに「誰か」として見られたくなかったから。
「誰か」じゃなくて、「江火野 芽衣」として見て欲しかった。


だからこそタロウが、「誰か」が自分に当てはめたことを、許せなかったのでしょう。


目に見えて会話が無くなった二人を見かねて、指宿くんがフォローに入った時に、この恋模様は大きく加速します。
江火野さんの本音が、引き出されていって。


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ロミオとジュリエットは、かつての江火野さんだったら、恐らくはあまり興味のない物語だったでしょう。
指宿くんと出会って。タロウの別の顔を知って。
これまでの江火野さんの歩みが、「ロミオとジュリエット」を読んだ時の、今の江火野さんの感想を作っているということが、はっきりとわかります。


恋をするのに壁がある


無意識にでも、江火野さんがそこに共感できる何かを感じたからこそ、ロミオとジュリエットの物語をそう解釈できる。
さりげないシーンだけれど、読者が江火野さんの変化を強く実感できたシーンです。
ゆっくり、けれど確実に、育んだ気持ちがそこにはありました。


指宿くんと江火野さんの会話の中で出てきた、「素直な気持ち」というのが、江火野さんの心に刺さります。
そしてそれは、本番直前の舞台裏で、タロウと二人っきりになった時に表れて。


素直な気持ちで、自分が思っていることを伝え始める江火野さん。
最初は少し、震えていたかもしれない。
でも勇気を出して、自分の言葉を紡いでいく。


心を晒してでも、伝えたい言葉があるから。


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ひとつひとつの思い出を、振り返って。
楽しかったこと、嬉しかったこと、ときめいたことを、素直な言葉に詰めて。


「全部タロウだったから…」という理由が、ちょっと最高過ぎじゃない?


何回読んでも、つながりはよくわかりません。
けれど読者は、江火野さんが何が言いたいかを、感覚で理解してしまう。
「全部タロウだったから・・・」という言葉の破壊力は、「だって愛してる」に比肩するレベルかもしれない。


江火野さんの気持ちを作った出来事の数々は、他でもない「タロウ」とだったからこそ、鮮やかに色づいているのだ


ひとつ呼吸を入れて、階段を上がる姿を見た時、覚悟を決めて次のページへと移りました。
初恋ゾンビで1番のシーンが来ることを、確信していたから。


そこにあったのは、本当にまっすぐな、飾らない江火野さんの気持ち。
ここだけは、絶対に単行本を読んだ上で堪能して欲しい。凄いぞ。


江火野さんの気持ちが、タロウにも響く。
振り絞った勇気は、この漫画では決してムダにはなりません。


舞台で起こったことは、単行本でぜひ確かめてみてください。


何があったかは、舞台後の江火野さんを見ればある程度想像がつくけど。


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かわいすぎて枕を殴った。江火野さんのせいで私の枕はもうボロボロ……


表紙の「私を悲しくさせるのも嬉しくさせるのも、キミだけ」という文章は、まさに9巻をあらわす、ふさわしい言葉かもしれません。
江火野さんを悲しくさせるのも、嬉しくさせるのも、タロウだったから。


江火野さんの幸福感が伝わってくる。
嬉しさを、抱きしめずにはいられないほどの出来事が、この舞台にありました。


ちょっと泣いてしまうくらい、江火野さんに心を揺さぶられる。
可愛いも、尊いさえも通り越して、もはやこの可愛さを崇めたい。
江火野さんの恋が芽吹いていく様に、どうしようもなく悶えてしまいました。


昨日より少しタロウを好きになっていく、そんな恋を見せてきた江火野さん。
その恋の芽吹きは、丁寧に積み重ねてきた分だけの破壊力を持っていました。


読者はもう、その破壊力に、そしてこの漫画の面白さに抗えないのだ……!


※雑誌掲載時感想
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終わりに



冷静に考えて、ラブコメ漫画でなぜ私は泣きそうになっているのだろうか(笑)
江火野さん好きのエビナーであるとはいえ、想定以上に面白くて、グッと来てしまいました。
ちょっと泣きそうになるくらいの切なさや愛しさがあるからこそ、ラブコメ漫画好き以外にも読んで欲しいと思っています。


毎回書いている気はしますが、完敗です峰浪りょう先生……
面白くて仕方ない。読める幸せを噛み締めてます。
とりあえず、江火野さんがますます好きになったので、江火野さん好きの座をかけて、「天野めぐみはスキだらけ!」作者のねこぐち先生を倒さないと(笑)


江火野さんに特化しすぎた単行本感想なので、週末もう1記事別に単行本感想を書く予定です。


画像引用元
初恋ゾンビ/峰浪りょう/小学館


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