江火野さんが何をしたというんだ!
初恋ゾンビがとんでもない展開に突入しているせいで、読者のHPは更新のたびにゼロになっています。
峰浪りょうは私達を殺す気か!
更新を1ヶ月も停止させてしまいましたが、エビナーの私にはとてもいつものように更新することはできませんでした。
だって江火野さんが……江火野さんが……
※今週超絶物語の核心に触れるので、雑誌読者以外は読まないほうが良いです
観覧車の中で
1ヶ月も前の更新だといろいろ忘れかけているかもしれませんが、タロウと江火野さんのデート回の続きです。
早く帰りたいタロウに対し、江火野さんは観覧車に乗りたがって。
そこでやっとデートになったと言う、江火野さんが可愛い。
映画は誘う口実、悟飯は約束。
でも観覧車に乗るということは、二人が一緒にいる中で決まったこと。
縛られない二人の気持ちが、向かった場所。
だからこそ、江火野さんはやっとデートになったと言ったのでしょう。
出掛けにデートと言って恥ずかしがっていた江火野さんが、今はすんなりとタロウに対してもデートと言える。
一緒にいる中でも、少しずつ自分の中の気持ちを作っていって。
横に座ったことで、タロウの顔を見ながら言わなくても住むということもあったかもしれません。
先週の江火野さんの振る舞いが、改めて素晴らしいプレーだということを痛感させられる。
西武の西口投手が、9回までノーヒットノーランピッチングをした時のプレーに匹敵するレベルです。
逆にタロウは、そんな江火野さんに戸惑ってばかりで。
タロウとしては、このデートを何事もなく終わらせたいという思いがあるので、当然と言えば当然ですが。
しかし受け身一方では、今の江火野さんには対抗できない。
変わっていく江火野さんを、踏み込んでいく江火野さんを抑えられないのだ。
変わった理由を訪ねようとして、口をつぐんだタロウに対しても、江火野さんは踏み込む。
※ちなみにここで顔を覗き込む江火野さんがめちゃんこ可愛い。みんなよくチェックしてな
タロウはもう、この時点から視線を合わせられなかったんだよな……
タロウが変わったこと、それを受けて自分も変わったことを、江火野さんはぽつぽつと語る。
それを遮るくらいしか、タロウはできなかった。
そして少し静かになると、江火野さんはかつて「観覧車」に指宿くんと乗った時のことを思い出す。
読者は覚悟するのだ。今日がその時なのだと。
君に届かない
かつて観覧車の中で、江火野さんにとってのタロウの存在を問われることがあった。
その時の江火野さんは、タロウはタロウだと特別な存在とする一方で、「何が特別なのか」までは自覚していなかった。
今は違う。
なぜタロウが自分にとって特別か、江火野さんは分かっている。
江火野さんは変わった。タロウに対する、自分の気持ちの名前を知った。
タロウに対して、知らない顔を見せるようになった。
幼なじみではなく、異性としての顔。
きっとこの時、目が合った。
タロウは分かったのだろう。江火野さんが、幼なじみとしてではない顔で自分を見たことを。
自分を好きな異性と、瞳があったことを。
ここから先は超ネタバレ。
本誌読者以外は戻ったほうが良い。これが最後通告です。
そしてその時が訪れる。江火野さんは、タロウへの思いを口に出そうとする。
震えるように、ページを捲ったのを今も覚えている。覚悟を決めた。読者は覚悟を決めたのだ。
しかしタロウの覚悟は決まっていなかった。
江火野さんの気持ちを、受け止める覚悟はタロウになかった。
矢継ぎ早に、自分の事情を伝えていくタロウ。江火野さんに、何も言わせなかった。
そして逃げるように、いや「ように」ではなく江火野さんから逃げていった。
一度も、江火野さんの顔を見ること無く。江火野さんと視線を合わせること無く。
……ふざけるなよ。
その気持ちだけは絶対に踏みにじっちゃいけないものだよ!
事情は理解できる。気持ちも理解できる。
それでも、やってはいけないことがあるんだ。
タロウに対する強い怒りと、そして悲しみだけが広がっていきました。
叶わない恋も当然あることは、理解しています。受け入れられないことは、覚悟していました。
でも、聞いてさえもらえないことは想定できなかった。
届くことさえしなかった恋は、どうすればいい。行き場を失った江火野さんの気持ちは、どこにもたどり着けない。
江火野さんは、泣きませんでした。
ただもう1週観覧車に乗って、外を眺めていました。
彼女は強い人です。でもこれは、泣かないんじゃなくて、泣けないんだと思う。
行き場を失った気持ちが彷徨っていて、涙になることさえできていないのだ。
そんな江火野さんのために、全エビナーは泣いてあげたいと思うことしかできなくて、辛い。
頭の中で、坂本真綾の「turn the raibow」や「マメシバ」を流したり、とにかく江火野さんの気持ちに寄り添いたかった。
※ちなみにこの記事は、ユーミンの「守ってあげたい」を聞きながら書いてます
かつて省エネ男だったタロウも、ヒロインたちに心を揺れ動かされるようになりました。
恋を否定的に捉えず、感情の機微も理解するようになって。この主人公ならばと、読者に思わせてくれるような主人公に成長して。
そんなタロウが、自分を好きになった江火野さんの気持ちを踏みにじることに、何も感じなかったのか。
踏みにじられたものは、江火野さんへの気持ちだけじゃない。読者の、いや私のタロウへの信頼だ。
私の大切だったものを、全て踏みつけて。
江火野さんの気持ちを受け止めることさえしなかったタロウを見て、
私は心が散り散りになるほど悲しかった……
それでも、私はタロウを信じたい。
11巻で席田に対し、「恋をしたことを後悔させない」と言ったタロウを信じたい。
恋をしたことを、江火野さんに後悔させたりしないことを、信じたい。
全エビナーは見てるぞ、タロウ。後悔させたら一生許さないからな
私がタロウに望むのは、江火野さんの気持ちから逃げずに受け止めて、その上でどうしたいかを江火野さんにちゃんと伝えること。
ただそれだけです。じゃないと江火野さんの想いは、ずっと彷徨ったままだよ…
まとめ
全エビナーを3回は殺してしまうような、悲しくて辛い回でした。
私自身、もう初恋ゾンビが完結するまでもう感想は書けないかもしれないと覚悟するほどに。
この1ヶ月、何度更新しようと記事画面を開いて、文章を書けず断念したことか。
11巻の単行本感想も画像取り込みまではしていたのに、その後にこの話を読んでしまい、すっかり書こうという気持ちが吹き飛んでしまいました。
記事の中で連続3回も信じたいと書いていますが、これはもう心からの願いです(笑)
とにかく、衝撃的な回でした。これほど初恋ゾンビ感想を書くのが辛かったことは、この2年ではなかったレベル。
例え叶わない恋だとしても、タロウに届くその日まで、私は江火野さんを応援し続けます。
だって好きだから。
あまりにも辛くて、仕事を休んで海を見に行ったことをこの場で白状させて下さい。
※画像引用元
初恋ゾンビ/小学館/峰浪りょう