暁のヨナ12巻。
ラブ成分がいつもより多めでありながらも切なさに胸が締め付けられた11巻とは打って変わって、12巻は至ってシリアスな展開に。
南戎の村を訪れていたヨナたちですが、そこで自国の火の部族の兵士たちの姿を目撃します。
何かが起こる雰囲気を察知した一行は、再び高華国に戻りました。
そこで目にしたのは、火の部族を攻めようとする戎国の兵士たち。
戦争が始まる。
そんな雰囲気が街には火の部族には漂っていました。
劣勢の火の部族を見て、存在を悟られる危険にも関わらず、ヨナは戦うことを決意します。
ヨナの決意に即座に準備を始めた四龍+ハクに対し、戸惑いを隠せないユンにこう告げるヨナ。
見るものを引き込むような、凛々しさ。
城にいた頃に比べ、旅の中で人を引き込むような凛々しさを度々見せていたヨナ。
それは人を魅了し、統べる力に繋がるのではないかと思っています。
この人ならやってくれる気がする、そう思ってしまう何かがヨナにはあるのではないでしょうか。
火の部族の街の外側にいる戎国兵士たちに奇襲をかける、暗黒竜とゆかいな腹へりたち。
しかし裏町の人間は優秀ですね。外に繋がる地下の抜け道を知っているなんて。
多分火の部族の兵士たちは知りません。知ってたら外からの侵入を恐れて入り口を封鎖または警備しているはずですからね。
戦力を整えていたとのことですが、足元は案外お留守かもしれません(笑)
奇襲は成功しましたが、戎国の兵士たちの動きが何やらおかしい。
シンアの目で見た情報を元にハクが導き出したものは、火の部族の反乱でした。
反乱自体も大変な問題ですが、それ以上にヨナたちがどう行動するかが問題でした。
反乱を止めることは、憎きスウォンを助けること。
そして止めるために城に向かうことは、わざわざ殺されにいくようなこと。
それでも、ヨナは反乱を止めることを選択しました。
国を守るために。イル王の娘、ヨナ姫として在るために。
ハクと共に馬に乗り、城に向かうその評定は口を真一文字に結んでいました。
それは自身が揺るがないように、強くあるためにそうしているような気がします。
高鳴る鼓動は、スウォンに近づいているため。
その消せない情を、押し込んでいるように見えました。
以前のような予期せぬものではなく、覚悟を決めた邂逅が迫っています。
さて、上記のようなシリアスな展開が繰り広げられる12巻。
しかし、タイトルにあるように可愛さも存分に詰め込まれているのが12巻なんですよ!
例えば冒頭の、ハク達の寝所に女性たちがやってきた時のシーン。
ごゆっくり、と言いながらも中の様子を気にしているヨナが可愛い!
本当にそういう現場ならば天幕の外から声をかけるはずですが、やはりハクのことが気になるのか控えめに中を除くヨナの姿はどことなくいじらしい。
理解のある主人を演じつつも、多分ハクがそういう雰囲気を見せたら今のヨナなら少し表情を変えるかもしれませんね。
そう思えるだけのことが、11巻にはありましたから。
フフ、ハクとヨナのこういうちょっとしたやりとりが私は大好きなんですよ!
反乱を起こしてはいますが、火の部族長一族の回想シーンも素敵でした。
緋龍王の話をしている時の、カン親子の様子です。
テジュンが可愛い。アホ可愛い。
本編では終始悪役のスジンですが、回想では子煩悩な姿を見せていてそのギャップにびっくり。
そこまでの悪人ではないかも、なんてちょっと思ったり。
子供の時から厳しく躾けられている、というのが火の部族長一族のイメージでしたが結構違うみたいですね。
そして極めつけは番外編!!
温泉シーンです!女性ファンは嬉しいかもしれませんが、男性ファンの私としては男の風呂シーンは別に嬉しくも何ともありません(笑)
でもキジャに仮面を剥がされて、目を見せまいと目をつぶるシンアは可愛かった!
男の私がそう思うということは、女性ファンからするとどえりゃー可愛いとかいうレベルかもしれません。
他にも火の部族との決戦前の、スウォンとジュドのやり取りも、微笑ましいものがあったり。
読んでいてニヤニヤしてしまうシーンが多かったのが、12巻の特徴かもしれません。
そういえば、表紙のデザインが変わりました。
衣装や構図などのデザイン性がより強くなって、私は好印象です。