4月に会社で飲み会があった。
私は幹事をしていて、1次会が終わると二次会に行こうという面子が当然出てきた。
予約はしていなかったものの、当たりをつけていた店はあった。
そこに案内しようと思ったが、歌舞伎町近くで飲んでいたこともあり、キャバクラに行く流れになった。
私はキャバクラに行きたいとは思わないけれど、お世話になっている先輩の誘いを断るレベルで嫌なわけでもない。
高い金を払って異性と話すことにまだ価値は見出だせないけれど、いつか分かる時が来るんだろうなあとかぼんやり思いながら着いていた。
その先輩は別の繁華街でよく遊んでいたようで、その場を仕切っていた。
歌舞伎町に向かう途中に、客引きにその先輩が捕まった。あまり客引きに良いイメージはないけれど、何とかなるだろうとこの時点では思っていた。
店に案内されると、何となくお高そうな外見の店だった。私は他の先輩と「大丈夫なのか」と心配し出したが、先に店に入ってしまった人もいたのでそのまま中へ。
小奇麗な感じの店内だが、他に客はいない。このへんでやってしまった感は正直あった。
男性5人にそれぞれ女性が一人ずつ付く。先輩がマンツーマンに拘った結果だ。
私の隣にも当然一人付く。
テキトーに自己紹介しながら、他愛も無い話をした。
女性は少しして、飲み物を頼んで良いか尋ねてきた。
それはエノキダ!という漫画で読んだ知識で、それが別料金になることは理解していた。
ただまあ私はキャバクラ素人なので、リーダー格の先輩に対応を委ねた。エスカレーションを正確に行え、はうちの会社のルールだ。
結果はOKだった。先輩の答えを聞いた女性は、飲み物を注文した。
他の女性たちも、頼んでいたようだった。そういうものなのかね、と私は一人で納得した。
初心アピールをしながらテキトーに会話を流していると、いつの間にか1時間経っていた。
確かワンタイム(1時間)という話だったが、誰も動く気配がない。どうにかなるだろ、それが私の正直な気持ちだった。
隣の女性は1回だけ交代し、1時間半経ったところでお開きに。
店を出ると、リーダー格の先輩の姿が見えない。
他の先輩に尋ねると、ATMに向かっているという。
ああ、やってしまった。
ドキドキした反面、現実感がなく妙にフワフワしていたのを覚えている。
一人あたり6万円のお支払いとなっていた。
店のお兄さんたちにぼったくりだと怒る先輩もいたけど、勝てないと判断したリーダー格の先輩がとりあえず一括して払った。
飲み物の値段は一応告知した(メニュー表を軽く見せた)、指名と見えなくもない受け答えで指名料が取られるなど、まあこちらの認識が甘い部分が多々あった。
それでも、ぼったくり価格であることには変わらないけど(飲み物の最低ラインが6000円だった)
その後終電が無くなるなあと思いつつも、先輩たちとラーメン屋で反省会を決行。
しかしこの反省会が一番面白かった。
今回の問題点は、無料案内所を使わなかったことで、改善点が無料案内所を使おうというものだった。
キャバクラに行くのを控えようとかではないんだなあ、と心の中で思わず笑ってしまった。
また行くことを前提とした反省は、むしろ前向きで良いのかもしれないけど。
前回は無料案内所を使い、常識の範囲内の金額に収まっていたこともあって、そういう結論になったのは理解できる。
痛い目にあっても、それでもキャバクラには行きたい。
私も年を取り、異性との交流が枯れてしまった頃この気持ちが分かるかもしれない。
今はただ、財布から消えていった6枚の諭吉さんに思いを馳せている。GWの名古屋旅行をキャンセルする結果になった。
でも6万で済んで良かったかなとも思っている。絶妙に払える金額設定。
エッチなサイトのワンクリック詐欺よりは単価高め。あれは学生とかがターゲットだからかな、多分。
まあこんだけまた行くのかよ(笑)って書いてるけど、誘われたら私もまた行く。
流されやすい人間だからね、悲しいけど。
とりあえず次に行くときは、諭吉さんが二桁飛んで行くことのないように祈っている。
ちなみに、新宿の居酒屋「めだか」の前にある「Le dernier amour」(レディニエアモウ)というお店。
新宿歌舞伎町ぼったくり店のご紹介 | 新宿 弁護士青島克行の歌舞伎町ぼったくり被害相談室
思いっ切りこのリストに載っている店だった。情弱がバレてしまう……
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