数年前、こんな記事を読んだ。
T.M.Revolutionこと西川兄貴がモデルと交際中であることが発覚したとのことで。
で、西川さんと交際相手の女性の身長差が11センチあった。
相手の女性の方が、11センチ高いってところがポイント。
言及記事先では、身長差に対するコメントにほっといたれよと言っているが、まあその通り。
でも、女性の方が身長が高いカップルというのは、一般的な認識からいくと少し気になるのかもしれない。
そんな女性の方が身長が高く、男性が低いカップルを描いた漫画がある。
「まちまち」という作品だ。
これが実に、読むと自然に笑みが溢れる作品なのだ
身長が高いのを気にする女子、低いのを気にする男子
男性は程度こそあるかもしれませんが、身長が高いのに越したことはない、と考える人は多いはずだ。
女性だって、ある程度は高い方が良いと思う方も多いかもしれない。
恋愛が絡んでくれば、また別ではあるが。
この作品のヒロイン、高木さんは想い人の古賀より身長が高いことを大変気にしている。
小学校の頃から付き合いがあり、そのころから好きだった高木さん。
そのころはまだ古賀の方が身長が高かったのに、中学くらいからすくすくと身長が伸びて古賀を大きく越してしまった。
背が高い女性は嫌いかもしれない。
そう思って、古賀の前では極端に猫背になってしまう高木さんが、実にいじらしい。
古賀は古賀で、自分が高木より身長が低いことにコンプレックスを持っていて、なかなか素直になれない様子が思春期の少年らしい。思わず頬が緩んでしまう。
身長は変わっても、変わらない想いを告げるシーンが本当に素敵だった。
告白場面は双方ともに赤面しっぱなしで、思わず私も赤面しそうになるくらいで。
小さいことでも、当人たちにとっては大きなことで。ましてや思春期の少年少女ならなおさらだ。
等身大の少年少女、というのがストレートに伝わってくる。
それがたまらなく心地良い。
まちまち
この作品のタイトルにもなっている「まちまち」という言葉。
漢字で書くと「区区」。「区々」と書くかもしれない。
意味は
「物事や意見などが、それぞれ異なっていること。また、そのさま。さまざま。」
とのこと。
この作品の高木さんと古賀の二人は、身長差という悩みを持っている。
ふと発した言葉に傷ついて。
同じ想いを共有していることを、心から喜んで。
悩みはある。。それでも時間をかけながら、確実に想いを育んでいく。
しかしそれは、程度や事象は違えど他の恋人たちにも言えることだ。
親の反対にあったり、人種の違いに苦しんだり。
色々な「二人」がいて、その二人の数だけ喜びの形も、悲しみの形もあるのだろう
この作品は、まさに「まちまち」なのだ。
何が凄いかって、たった2巻という短さで、その「まちまち」さを読者に感じさせているところだ。
メインの二人にスポットを当てながら、ストーリーに異なる様、「まちまちさ」を押し付けないで描いているのだ。
サブタイトルに、ストーリー内に「まちまち」という言葉は、私が読んでいた限り登場しない。
しかし作品のタイトルである「まちまち」という言葉が、実にしっくりと当てはまる。
文字にせずとも、私達はどうしようもなく、この作品のテーマが「まちまち」であることを理解してしまう。
悔しいくらい、見事だ。
全編を通して、終始頬が緩み、心が満たされていくのが分かった。
1話だけ凄いエロスを感じる話がある。こういう作品でやられると、非常にエロくて滾る。
番外編もまた、たまらないのだ。まさに「まちまち」だなあと実感させてくれる。
可愛い女の子たちがイチャイチャしているのは、いつだって素晴らしいのだ。