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剣を…抜けなかった…
暁のヨナ8巻が発売されました。
ベルセルクの三浦先生も推薦する、ファンタジー作品。
今回はヨナの派手な見せ場こそありませんが、心に響いてくる感情がありました。
四龍集結。しかしこの後は……?
黄龍が仲間になりました。
……それもあっさり。
そのへんにいた人間にご飯をご馳走したらそれが黄龍で、そのまま仲間になることに。
白龍以降は仲間になってもらうのに苦労していたのに、1話もかからないとは(笑)
伝説では体が頑丈とのことですが、ハクのパンチで血を流すあたりまだ力は未知数。
それでもヨナは、彼が纏う黄金の日だまりのような暖かい空気が、彼が黄龍である証拠だと確信していました。
四龍がそろったところで、2巻で出会った神官の元に再び向かうことに。
これからどうするか、何をするかを決めなければいけません。
予言によると、四龍が揃った時王を守護する剣と盾が目覚めるとのこと。
王とは誰か。剣と盾とは何か。
神官であるイクスは、その時が来れば自ずと分かると言います。
ただ、このイクスの「ため」が気になるんだよなー
実はもう、彼には分かってるんじゃないかな。
ただそれは、今伝えるには辛い事実だったり。
その時が来る条件として、ヨナが覚悟のような何かをしなければいけない可能性もあります。
ヨナだけではなく、そろそろハクが本筋のストーリーと絡んできても良い。
ハクがヨナに対する感情を認めることが、物語を進める鍵になったりするかな?
予言にある王は、可能性としては二通り。
ヨナか、現国王であるスウォンか。
8巻後半の話を見ていると、スウォンの気もするんですよね。
剣と盾らしき人物を意図的に描いた感じがある。
とりあえず、スウォンを倒すといったのはさておき、国の苦境に押しつぶされそうになっている人を助けるとヨナは決めました。
その延長線上にスウォンがいた場合、どうするのかが気になるけど。
なぜなら、ヨナはスウォンに剣を抜けなかったから。
憎い相手なのに。許せない相手なのに。
父を殺し、ヨナを城から追い出した人間なのに。
他人から見れば愚かだろう。理解できないだろう。
それでもヨナに取って、スウォンは大切な人だった。大好きな人だった。
まさに「捨てられない情」というしかない。
ただイクスも言っていますが、そんな人間だからこそ好きなんですよ。
理解できない、分からないものを持っているからこそその存在が愛しい。
ひどいことをされても、大切だった人を嫌うことができない。
人の業とも言える部分かもしれません。
凄まじく感情を揺さぶられました。簡単に割り切れるような感情じゃない。
姫として
父の残した国を守るため、武器をとることを決意したヨナ。
決してヨナに武器を持たせようとしなかった父の遺志をしってなお、自分の意志でそう決めるヨナが凛々しい。
ハクはヨナを縛っておきたいと言っていた……と言ったことを緑龍に言われたヨナ。
信じていないようですが、ハクはその逆だと告げました。
見せつけてやりたいと。
髪を捨て剣を取り、この国を支えんと、誰よりも強く生きていると。
ハクだけに、姫と呼ばせ続けたヨナ。
自分が姫だったことを、覚えていてもらうために。
それだけに、この言葉は嬉しかったでしょう。
自分の頑張りを認めてくれたから。姫としてここにいることを認めてくれたから。
ハクは、姫を自分の手元に置いておきたい一方で、この素晴らしい姫を見せつけたいという矛盾した感情があるのが少し可愛い。
ヨナがどうしようもなく大切で好きなのに、その自分の感情を押し殺しているあたりが。
そういう部分でも、ヨナが姫で自分が守る者という立ち位置を崩していないのが凄い。
彼だけがずっと、ヨナを姫としているんだなと改めて思いました。
ヨナがスウォンに対する捨てられない情を吐露したのを聞いていたハク。
あの時ハクは、何を思っていたんだろうな……
8巻は黄龍が仲間になったものの進んだ感じはあまりしません。
それでも心に響く展開、言葉が詰められていました。
ヨナとハク、それにスウォンを絡めた関係は本当に気になりますね。
これを動かすのは、間違いなくハクだと思うけど。
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