いつかたどり着く

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いつかたどり着く

漫画とかの駄文書く。

「暁のヨナ」心の痛む音が聞こえた

暁のヨナ22巻が発売されて、またもそこそこ経ってしまいました。
それでも、暁のヨナの感想は書かずにはいられない。


22巻は、ヨナとハクの気持ちが引き出される巻でした。
ヨナは、同年代の少女・リリによって。
ハクは、仲間たちと……あの簪によって。


ヨナの気持ちは、ここまで長かったなあと思わず笑顔になって。
ハクの気持ちは、心が痛む音が聞こえてくるくらい、苦しくて。


二人の気持ちに着目して、22巻を振り返ってみます。

※21巻感想
www.itutado.com

違う「すき」を辿って、辿り着いた「すき」

22巻では、ヨナが遂に、ハクに対する自分の感情が何であるかを認めました。
それが、恋愛の「すき」であることを。


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このヨナの反応に、もうニヤニヤが隠せない。
近すぎた分、自覚するのも時間がかかって。
その上、すでに関係が出来上がっているからどうしたいか、どうなっていきたいかもよく分からないというのが伝わってきます。


凛々しいヨナがハクについての話になると、こんなにも可愛い表情を見せるから困る(笑顔)
恋する乙女は絶対的に正義なのだ。


ヨナは以前、スウォンのことが好きでした。それは間違いありません。
人を好きになることを知っていたヨナが、なぜハクのことが好きだと気づくのに時間がかかったか。
それはやはり、ハクへの「すき」は、違う「すき」を辿ってたどり着いた「すき」だからなのでしょう。


スウォンへの好きは、多分物心着いたころには抱いていた想い。
ある意味憧れに似た気持ちが、好きへと昇華したものでしょう。
だからこそ、スウォンへの好きはどこかキラキラと眩しいものがありました。


一方、ハクへの好きは、スタートラインが違います。
友達あるいは従者。そういう信頼関係から来る「すき」がスタートラインです。


好きという言葉は、恋愛面だけでなく友達として、仲間としても使います。
スウォンへの好きは前者で、ハクへの好きは後者。
確かに恋愛の「すき」が強いかもしれない。けれど、それ以外の「すき」が負けるわけでもない。
同じく、そこに存在するものだから


苦楽を共にしたという言葉では足りないほど、絶望も希望も、共有してきた二人。
友達の、仲間としての「すき」を辿って、恋愛の「すき」にたどり着いたヨナ。
それはきっと、これまで経験してきた「好き」の範囲に収まらない感情なのでしょう。


友達の「すき」と、恋愛の「すき」が混ざり合って、1つの強い「すき」を作る。
それはきっと、最強の「すき」なんだと感じました。


好きだと自覚してからのヨナがもう、本当に可愛くて。


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こういうちょっとしたシーンでも、ヨナがドキドキしているのが分かる。
恥ずかしさもあるでしょう。けれど、隠しきれない嬉しさもある。
長い旅を経て、ヨナの気持ちが1つの答えにたどり着いた巻でした。


でもハクは拗らせてるからね。多分そう簡単にお互い好きでした!にはならない。
※後述するかも

一番許せなかったこと

ヨナがハクへの好意を認める一方で、21巻に引き続き、ハクは少しずつ過去と、夢見た未来と向き合うようになっていきます。
思い出すのは、スウォンといる風景。
まるで空を連想させるかのような、スウォンの広さ。


自分とは違う、大きな人間であることをひしひしと感じていて。
その姿は、近いのに遠い。


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遠くに見えるその背中を、ハクは追いかけようと思っていた。支えようと思っていた。
自分のヨナへの気持ちを押し殺してでも、側にいたかった。
スウォンに、王になって欲しかった。


ハクのそういった気持ちを裏切ったスウォンを、許せないのは当然だと思っていました。
夢見た未来を、踏みにじったことが許せないのだと。


それは、間違いではありません。
ただ、ハクが一番許せなかったのは、やはりヨナに対する行為だったようです。
ヨナの父であるイル陛下を殺した日に、ヨナに簪を送っていたことが、ハクにはどうしても許せなくて。


ユンくんの珍しい不手際で、谷底に落ちてしまった簪を取りに、ハクが谷底に飛び込んだ時。
遠くなる意識の中、スウォンのことを考える。


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心の痛む音が聞こえる。
締め付けられるような痛みが、伝わってくる。


特別だと思っていた。特別だと信じていた。
スウォンの、ヨナへの気持ちが。
だからこそ、気持ちを押し殺した。だからこそ、任せた。
きっと幸せにしてくれる。きっと大切にしてくれる。


それを全て踏みにじって。秘密を守るために、ヨナを殺そうとまでして。
悲しかった。
憎いではなく、悲しかったとハクが表現した時、どうしようもないくらい切なくて、苦しくなりました。


どれだけスウォンを信じていたかが伝わってくる。
どれだけスウォンが好きだったかが伝わってくる。


積み上げてきたものが、崩れるような感覚だったでしょう。
ハクもまた、ヨナ以上に苦しかったことが想像できます。


ある意味では、ハクがヨナを支えてきたように見えて、ハクにとってもまた、ヨナが支えだったのかもしれません。
ヨナを守り抜くという意思が、ハクを支える力になっていても不思議ではないでしょう。


最も、今は少し違います。
ハクを支えているのは、ヨナだけではありません。
今、ハクが笑えているのは間違いなく四龍と、ユンくん、それにアオがいるからです。


一人で背負い込まなくても、頼れる仲間がいる。
一緒に笑える、友がいる。


それが今のハクを形作る、大きな要因になっているのが、作中の端々から伝わってきます。
風の部族とは違う、もう1つのハクの帰る場所。
憎しみも悲しみも、すぐには消えるものではありません。一生消えないものかもしれません。


それでも、一緒にいることで和らぐことはある。安らぐことはある。
深い悲しみだけではなく、そういった「救い」も暗示されていたように感じました。

終わりに


改めて、私は本当にこの作品が大好きなんだと実感する巻でした。
22巻分の積み重ねが、様々な形で実ってきているのを見ると、思わず熱いものが込み上げてきます。


特に、ハクがね。
苦しんできたのが分かってから、何とかみんなでそれを救ってあげようとしているのが伝わってきて。
ヨナだけじゃなくて、仲間たちもハクのことが大好きで、支えてあげたいと思っているのが良いんですよ。


あとは、ヨナの好意を知っても、スウォンが好きだった過去を知っているから、ハクは素直にそれを受け止めきれないかもしれません。
多分それはハク自身だけではどうしようもなくて、ヨナと二人で、二人の「すき」の形を作っていかなければいけないんだろうなと思います。


女性の方にこの感想がどう写るかは分かりませんが、アラサー男性が読む暁のヨナ22巻はこんな感想です。
アラサー男性諸君、暁のヨナを読もう!


※試し読み

comic.pixiv.net

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