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「暁のヨナ」思い出す、大切な人の言葉

暁のヨナ20巻が発売されてから……しばらく経ってしまいました。
継続というのが非常に苦手な私ですが、暁のヨナ感想だけはずっと書いてます。


20巻は恐らく初めて、ヨナとハクがずっと離れている巻だと思われます。
しかしだからこそ、二人の想い、特にハクにとってのヨナというものが際立ってきます。
ハクにとって、ヨナはもう守るだけの存在ではないことが、、改めて分かる巻ではないでしょうか。


伝播する、立ち向かう意思

この巻は正直、ヨナ自身はあまり目立たない巻だと思っています。
囚われのヨナたちと、それを救出する面々と2サイドあり、ヨナの方は、ヨナ自身よりもリリが印象的に描かれています。


いや正確に書けば、窮地に陥ることの多いヨナだからこそ、あまり目立たないのでしょう。
逆に水の部族編で弱さを見せたリリが、歯を食いしばって立ち向かうようになり、印象に残っているのだと思います。


その姿は、ハクが瀕死となり、強く生きようとしたかつてのヨナを彷彿とさせました。

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己の弱さを認めた上で、立ち向かう。
憧れる少女がいた。自分よりも困難な状況でなお、諦めない少女がいた。


ヨナのように強く在りたい、そう感じさせるシーンでした。


リリはヨナに憧れを持っているのは前々から分かっていることですが、実際に極限の状態で戦う意思を示すのは難しいでしょう。
「ヨナのようになりたい」、そう強く思っているのは間違いありません。


ただそれと同じくらい、「ヨナと対等で在りたい」という気持ちも強いと思います。
自分のことを戦友と言ってくれるヨナに、胸を貼ってそうだよと答えられるように。
友達であり、憧れでもあるヨナと並び立てるように。


多分に推測(という名の妄想)が含まれていますが、人が誰かに影響されて強くなる姿が、見事に描かれていました。
こういう関係がもう大好き。

もう、一人じゃない


一方救出サイドはと言うと、案の定心配して気が立っています。
当たり前ですが、特にハク。


同じくらいキジャも気が立っていそうですが、ハクが動揺している時はキジャが落ち着いているとのこと。
絶妙なバランスです。


ハクもそれは認めていて、彼にしては非常に珍しい顔を見せました。


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感謝の言葉。


ふと考える、ずっとヨナと二人旅だった場合のIF。
頼れる人間がいない中で、今回のような出来事が起これば、事態は今よりずっと悪くなっていたのは間違いありません。


けれど今は、同じ気持ちを共有できる人がいる。
頼っても良い、仲間がいる。


最初の方は、四龍に頼らずヨナを守ってみせるという意思を少なからず見せていたハク。
巻を重ねるにつれて、仲間を頼るようになっていくのは、苦楽を共にしてきた証でした。


だからこそ、伝えずとも心の中で言葉にしたのは、長年のファンとしては非常に感慨深いものがありました。
それだけの旅をしてきた、改めてそう感じました。


救出には王であるスウォンたちも関わってきます。
そしてまた、彼らは出会ってしまう。


壁を挟んでの会話ですが、ハクはすぐに声の主がスウォンであることを理解しました。
スウォンもまた、相手がハクであることを察していたようでした。


いつ彼が、ハクであるかを察したかはよく分かりません。
最後に彼が、絞るように発した言葉で気がついたのか。
あるいは、壁の向こう側で発せられている、殺気と……懐かしい気配を感じ取ったのか。


当然ハクは、かつてのような鬼気迫るような表情を見せます。
しかし、今回は落ち着きを取り戻すことに成功しました。

思い出すのは、大切な人の言葉。

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今はここにいない、命よりも大切な姫の言葉。
最初は単純にヨナの言葉を思い出して、自分を抑えているのだと思いました。
ヨナを心配させないように……と。


でも、それだけではないでしょう。
同じくらい、「ヨナ」を優先して考えろと自分を戒めるという意味があったのだと思います。


ヨナを助けるためならば、怒りを抑える。スウォンとだって協力する(利用する)
そんな風にも読み取れました。


何というか、ヨナの言葉を思い出した時のハクの表情がもう切なくて。
私は男性ですが、ハクのこういった表情にドキッとさせられてしまいます。
これは女性読者ならキュン死しても仕方ないですよ。全国のハクファンの方、息してます?
呼吸止まっても、ハクが人工呼吸してくれるわけじゃないからちゃんと生きてくださいね。


今回のシーンで、ヨナがハクの心の支えになっていることが分かりました。
ヨナにとっては、ハクはずっと心の支えでした。
強くなっていくヨナの姿はずっと見てきましたが、ハクの心を支えられるくらい強くなったと彼女が知ったら、どんなに喜ぶか。


もうね、早くハクたちの元にヨナが戻ってきて欲しいと思わずにはいられない。


ヨナの心にハクがいる。ハクの心にヨナがいる。
……考えただけでもうね、ニヤニヤしちゃうね。

終わりに

ハクが風の部族と再開した時のシーンが凄く良かった。

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私男性だけど言っちゃう。

可愛すぎだろこれ


男性が男性キャラに対して、可愛いって多分そんなに言わない。
でもこれは言わざるを得ない可愛さでした。大好きな兄貴分だからね。仕方ないよね。


暁のヨナ20巻も非常に面白かったです。
ただ、21巻がこれを超える面白さが確約されてるからもう待ちきれないんですよ(花ゆめで読んでる)
暁のヨナのために花ゆめは買う価値があります。
単行本派も花ゆめを買おう(ぉ

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