webマンガも色々ありますが、ジヘンという青年レーベルも去年からできているようで。
jihen.jp
その中に、インターネット文化の黎明期を描いた「オンラインの羊たち」という作品があります。
これがまた、ネットノスタルジックとでも言うのか、なんとも言えない懐かしさがあって。
特に昔からインターネット文化が好きだったような、はてな系の人たちはちょっと読んで見て欲しい。
インターネット老人会の皆様は、きっと楽しめる漫画なんじゃないだろうか。
hatebu.me
↑この記事に反応しているような皆様ね(笑)
あらすじ
1999年、とある片田舎。3人の中学生男女は、誰にも知られることなく情報を発信できる新たなツールを手に入れた。時間も距離も関係なく、顔の見えない相手とも繋がれる自由なネットの海に、彼らは飛び込んで行って……。忘れられないオンラインの青春が今、始まる! チャットでマニアックな会話を楽しんだり、お絵かき掲示板に常駐したり――“テレホタイム”が待ち遠しくて仕方なかったインターネット黎明期を描いた、ネット時代の新感覚ノスタルジックストーリー!
追記(訂正あり)
・インターネット黎明期と書くと語弊がありますね。インターネット文化黎明期に訂正させて下さい。
→これも間違いで、インターネット普及期が正しいとのこと。失礼致しました……
・「オンラインの羊たち」がどんな作品か、『HOTEL R.I.P.』の西倉新久先生が説明してくれていました。
というわけで自分からも『オンラインの羊たち』よろしくお願いします。こんなワードに惹かれてしまう人はぜひ読んでくれよな。 https://t.co/ip2khURi8a pic.twitter.com/0CueETyACP
— 西倉新久 (@cink) 2018年3月23日
インターネットへの接続
開始早々に、ああ確かにこんな画面だったようなと思わず唸ってしまった。
ダイアルアップ接続の破壊力よ。
これが1ページ目に来るから、いきなり懐かしさにやられてしまった。
小学生の頃、実家で親と一緒にパソコン触ってた時にこんな感じだった。
私自身のインターネットは、2000年頃が多分最初だと思う(小学校4年生)
凄い音がしているけど、私は音までは正直覚えていなくて。歴史家の証言によると、まさに漫画のような音だったらしい。
作中のインターネットへの入り口も、共感できるものがありました。
主人公のメグは、周りに好きなゲーム(クリスタルランドという架空のゲーム)を話せる相手がいなくて、それを求めてインターネットを始める……というのが入り口です。
私もゲームではなかったけど、本格的にネット文化に触れるようになったのは、当時ハマっていた小説の公式ファンサイトの存在を知ってからでした。
小学校高学年の私は、スクラップド・プリンセスという榊一郎の作品にハマっていて、その公式ファンサイト「うごうご榊くん」の存在を知り、アクセスして掲示板に書き込むというのがインターネットにハマるきっかけでした。
それまで書き込みしたこともなかったから、末尾の「w」の意味もよく分かっていませんでした。
何となく、(笑)みたいなやつかな?とは思ったかもしれませんが。
あの掲示板の方々には、色々とよくして頂いた記憶があります。なにせ本当に、ネット文化の右も左も分からなかったので。
今「うごうご榊くん」で検索すると、当時のファンサイトはすでに消失しており、名前を引き継いだTwitterのお知らせアカウントのみが存在しています。
それも2015年を最後に更新されていませんが(笑)
昔のHP、たまに見たくなるんですけどね。「infoseek isweb」のサービス終了した時に、結構見ていたサイトが見れなくなってしまった……悲しい。
作中に登場する用語は何となく分かるものの、私が本格的にインターネットを触りだした時期より前なので、実体験ではないものも多い。
「テレホタイム」なんかはまさにそう。
私の前職はシステムエンジニアでしたが、その役員はテレホタイム(というかパソコン通信あたりのネット文化)に思い入れがあって、色々と語っていたことをちょっと思い出したり。
この時代に定額制は、確かに画期的だったのかなと感心してしまった。
完全に歴史を勉強している感覚である(笑)
作中では、23時ちょうどに大量にチャットに人が流れ込んできていますが、実際にそんな感じだったのでしょう。
特定の時間から一気に人が増える、という瞬間はちょっと見てみたかった。
あとはたまに出てくるネットスラング。私は普通に「みかか」が分からなかった(笑)
カナ入力でこの文字列を打つと分かるらしい。
……なるほど(笑)
チャットルーム→メッセンジャー→Skypeという流れ
作中では、ファンサイトに設置されているチャットルームでのやり取りが時折描かれています。
恐らくアイコンが表示されていて、その感じが妙にくすぐったい(笑)
30歳以上の方は、朝までチャットしたという経験も多いのではないでしょうか。
私も誰かのホームページ上のチャットに参加した記憶はありますが、私がネットに入り浸るようになった時期は、見ていた界隈の住人はMSN メッセンジャーに移っていたような。
あまり遅い時間までネットができなくて、なかなかメッセでのやり取りに参加できなかった記憶があります。
参加出来るようになっていた頃は、みんなSkypeに移り始めているというね(笑)
Skypeができるようになった頃(もう高校生くらいになってた)には、岩手県での初めてのオフ会に参加したり。
その時はハヤテのごとく!界隈にいたので、「明日はきっと。」の管理人のきよさん (id:kiyolive)が初めてのオフ会相手だったのを覚えている。
今見たら、はてなブログに移っていてちょっとびっくりした。私と違い、ちゃんと同じアカウントで継続しているから凄い(笑)
旧
d.hatena.ne.jp
新
kiyolive.hatenablog.com
オンラインの羊たちではまだオフ会は描かれていませんが、チャット等のやり取りをしているうちに、「オフ」の話は出てくるんじゃないかなと思っています。
その時中学生の彼らが、どういう反応をするかちょっと楽しみです。
ちなみに私は、オフ会に行くとは言えず、塾に行くとか嘘をついたような(もう時効だよね)
あとは初心者がネットをする上で避けて通れない、ワンクリック詐欺とかブラクラ問題。
作中では、しっかりブラクラを踏んでいます。もはや通過儀礼みたいなものでしょう。
パソコンが壊れた!って思っちゃうよね(笑)
ワンクリック詐欺にあったときは、8万とか絶妙に貯めていたお年玉とかで払えそうな金額で、払ってしまおうかとか思った記憶があります。
あの頃は純情だったなあ(しかしエロには負ける)
そうそう、作者の方が作中のファンサイトを再現した特設ホームページを公開しています。
あの頃のホームページ!って感じがしてニヤニヤしてしまいました。
掲示板に書き込みしたくなる(笑)
こういうサイト、みんな「とほほのWWW入門」見ながら作ったんだろうなあ。
まとめ
- 作者: 詩原ヒロ
- 出版社/メーカー: Nagisa
- 発売日: 2018/11/29
- メディア: Kindle版
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昔なつかしのインターネット文化の香りに溢れた作品で、読む人が読めば私以上に「懐かしい!」って思える作品だと思います。
巻末のおまけページがまた良い。
MDや携帯電話など、当時の懐かしいアイテムたちに触れています。
キャラのプロフィール(表記もまた前略プロフィールw)に表示されているイルカなんて、見た瞬間にちょっと笑ってしまった。
完全にWindowsのあのイルカである。
細かい部分にも、作者の強いこだわりを感じてしまった。インターネット老人会の皆様に、ぜひ読んでもらいたい作品です。
何かAmazonには置いてないようなので、作者がまとめてくれた電子ストアで買ってみて下さい。
電子書籍で「オンラインの羊たち」1巻 発売いたしました!
— 詩原ヒロ@単行本発売中 (@shibarahiro) 2018年3月23日
各電子書籍ストア様でお買い求めいただけます。ブログでまとめましたのでこちらでご確認ください。https://t.co/mo8PhwACNE
また発売に合わせ、特設ページを組んでいただきました!是非覗いてみてくださいね~https://t.co/gsP4BPm6t0 pic.twitter.com/bL2OFTRuH9
画像引用元
オンラインの羊たち/詩原ヒロ/株式会社Nagisa
おまけ
当時はまだ漫画ブログというよりは雑記ブログで、たまにニュースサイトに取り上げられると嬉しかった。
いわゆるKKGからのアクセスは、やっぱり凄かった。
ふぇいばりっとでいず→KKGみたいな経路だったと思う。
あとはミルトさん(id:miruto)さんのむんくろにも、よく取り上げてもらったなあ。あとは痕跡症候群か。
上京して初のオフ会は、白い戯言の白球さん(id:whiteball22)とかとカラオケだった。すくみうさんというスク水のニュースサイトやってた人を介してだった。
はてな界隈はあんまりよく分かってなかったけど、たまにまなめさん (id:maname)ところに取り上げられた時は、結構テンション上がった。
ニュースサイト文化も懐かしいなあ……(また誰か始めないかな)