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極上のエンターテイメント作品がここに!「猫村博士の宇宙旅行」を絶賛させて欲しい

これは、SF好き、冒険好き、漫画好きに贈られた素敵で楽しいプレゼントである!


「猫村博士の宇宙旅行」の帯に描かれたその言葉は、1ミリたりとも嘘ではない。
ワクワクが止まらない冒険が、1冊にギュッと詰まったこの奇跡。
SF漫画史に残しておきたいような台詞もいくつか登場し、自分の心が踊ってしまうのが分かる。


この作品には、溢れんばかりの夢が詰まっている。
それだけではなく、「猫村博士の宇宙旅行」を読むことで、我々はまた夢を見たくなってしまうのだ……!

ロマンしか無い、宇宙旅行


この作品はタイトルの通り、猫村博士が宇宙に旅立ち地球に帰還するまでの「宇宙旅行」を描いています。
宇宙旅行とはいえ、ただ旅行するわけではなく、宇宙の真理を求めて旅をするという、崇高な使命を持っています。
あと宇宙美女。宇宙船にはやっぱり美女だよね!


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火星の姫をgetだぜ!


猫村博士の気持ちが痛いほどわかる。
人形が存在するかも確定してはいないけど、他の星の美女を載せるというロマン。


これがSFなのである!


一見傍若無人で、女性を前にすると口下手な猫村博士。
船のコントロールを一手に引き受ける、少女型アンドロイドのポピ子。
月面都市の住人である、月の天文学者であり船内のマスコット的なピョン助(二足歩行のうさぎ)
火星美女のオーロラ姫。


もうメンツだけで、エンタメとしてのSFの王道を往くことを示してくれています。
賑やかに会話しながら、遠い未来人類が見るであろう景色を、SFの理屈をわかりやすく噛み砕きながら濃厚に描いてくれています。


SF好きとしても冒険好きとしても、読んでいて楽しくなる心が抑えられない。
超新星爆発で、夜も昼みたいに明るい……みたいな体験を生きているうちにしてみたい。猫村博士たちは間近で視ちゃってるけど(笑)
※ただしガンマ線はお断りします


宇宙で出会うのは異星人ばかりではなくて、まさかの先駆者との遭遇が熱い!
先に宇宙へと飛び立った、宇宙探査機ボイジャーとの遭遇。
wikiのページを読み漁るので時間使っちゃうやつですよこれは。


※いくつか調べた中でこの記事が良かった
探査機ボイジャー40年、隣の恒星に出会う日 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト


更には、空間跳躍(ワープみたいなもの)中の超空間で、同じ地球人とも遭遇する。
それがマヤ文明時代の人で、オカルト分野までくすぐってくるのかこの漫画は……!


このマヤ文明のアバフさんとのやり取りが、非常に素晴らしい。
美女しか載せないと言いつつも、先駆者に敬意を抱き自分の船へと誘う猫村博士。
アバフさんは自分の船では地球に戻れないことを知りつつも、その誘いを丁重に断る。
肉体は科学に捧げた身であり、これは「自分」の旅だという。


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君は君の旅を行け


最高に熱くて心震えた。


なんなんだ、このカッコいい男は。自分の中に揺るぎない矜持を持っているのが分かってしまう。
信じて進む道がある。自分の力で追いかけたい夢がある。
それが短いやり取りの中で猫村博士にも伝わってしまうのが、最高に熱い。


生きた時代は違えど、自分もまた同じ夢を求めた身だから。


果てしなく広い宇宙で、同じ星の先駆者と巡り合う奇跡。
これが、これがSFロマンなんだ……!!
最後に後輩にアドバイスも忘れない、先輩の鏡。

私もこんな風に、後続を往く者に何か残せるような人間になりたい。
思わずそんなことを考えてしまうくらい、熱いシーンです。

宇宙を超える理由


もう充分このマンガのおもしろさを伝えられた気はしますが、冒頭で触れた痺れるような台詞も1つ紹介させてください。
猫村博士が宇宙を旅する理由は、宇宙の真理を求めてというものです。
じゃあそれがこの旅のすべてかといえば、そうではありません。


大切なものはほしいものより先に来た


これはHUNTERXHUNTERのジンの台詞ですが、猫村博士の宇宙旅行もまさにそうで。
宇宙の真理を求めて旅をしていく中で出会った人々、それがまさに猫村博士にとっては大切なものになっていて。
科学者として誇りを持っている猫村博士が、運命的な出会いを果たした時、旅をした本当の理由を自分で見つけるシーンがたまらなく好き。


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宇宙を駆ける愛。そんなクサイ台詞もこの漫画は言いたくなってしまう


このセリフをSF漫画史の片隅に刻んでおきたい……!!


ロマンロマン&ロマン。
痺れるっていうレベルじゃない。「くぅ~」みたいな変な声が口から漏れてしまう。
もちろん宇宙の真理についても忘れているわけじゃないけど、自分が求めていたものより大切な人に出会える喜び。そしてそれが本当の目的だったことを思い出す(思い出す!)
果てしない宇宙を駆ける理由が、大切な誰かに出会うためっていうのが最高にロマンに満ちていて熱い。


さきほどからロマンという言葉を連呼していますが、事実だから仕方ありません。
この作品はSF好き、冒険好き、漫画好きのロマンが1冊にギュギュッと詰まった、幸せなエンターテイメントなのだから……

おわりに


ポンポさんも非常におもしろい作品でしたが、SF好きかつ冒険好きの私には、「猫村博士の宇宙旅行」が死ぬほど刺さりました。
レビュー・感想でここまで熱くなったのは久しぶりではないでしょうか(ラブコメ以外で)


で、こんだけ熱く語っていますが、人間プラモさんの作品は2作品くらいしか読んだことがなくて。
情報によると、ジャンプSQ.CROWNに読み切りを載せているとのこと。こっちもぜひ読まなくては……!
※参考
grand-spring.com


いやホント、騙されたと思ってぜひ読んで欲しい。
漫画好きには、絶対刺さるから!

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