もうね、江火野さんが可愛いって言うだけの日を作りたい。
心が揺さぶられまくりのクリスマス編ですが、遂に江火野さんにとって、重要な場面が回ってきます。
タロウに用意した誕生日プレゼントを渡す。
江火野さんのクリスマスはこのためにあったと言っても過言ではありません。
江火野さんとタロウが二人だけになった時、もう私達は江火野さんしか見えなくなるのだ。
「もうオレには リングしか見えねえ―――」そういった三井寿の境地さえ、理解できてしまうほどに(ぉ
その笑顔が全てを超える
江火野さんはタロウが好きです。
当初は周りにそれを言うような性格でもないため、隠しているのかとも思いましたが、特に隠したり無理に否定することはなく、分かっているであろう人には素直に好意を認める姿が可愛い。
可愛すぎか!
恋する乙女っぷりを隠さない、江火野さんが可愛くて仕方ない。
恋愛なんて興味ないみたいなタイプだった江火野さんが、恋をして変わっていく。タロウを好きだと気づいて変わっていく。
ずっとそれを見てきたからこそ、可愛くて可愛くて震えてしまう。
変わることを恐れながら、それでも前に進んでいた江火野さんが大好きだって、何度でも言いたくなる。
こういう時、察しの良い一姫がいてくれて助かる。
江火野さんのことだから、分かりやすく二人きりの時にプレゼント渡したいってオーラが漏れていたのかもしれないけど(笑)
ここでちょっと面白いのが、ナストが二人で外に出ていく姿を見て何か思うような描写があったこと。
もちろん、想い出に昇華されゆく初恋とはいえ、それはまだ現在進行系で昇華されているので、気になるんだろうけど。
何となく、ナストは江火野さんがタロウに惹かれていることにも気づいている、あるいはタロウが江火野さんを好きになるんじゃないかみたいな部分を感づいているのかなと。
江火野さんの魅力をよく知っているナストだし、好きな人のことだから分かる……みたいなことがあるかもしれない。
ドラえもんの南海大冒険の主題歌『ホットミルク』で、そういうことがあることを私は学びました(ぉ
初恋ゾンビが昇華する姿を見たことで、今は江火野さんと二人が気まずいタロウ。
それは自分が江火野さんに惹かれていることを、自覚しているから。イヴの昇華に繋がるのではないと恐れているから。
揺れている、タロウの心。
そんなタロウとは対象的に、江火野さんの心は定まっている。
先週の感想でナストをべた褒めしたけど、その勇気は江火野さんにもしっかりと伝わっていた。
こういうシーン、大好きなんですよね。
振り絞った勇気が、他の誰かに受け継がれていく。背中を押したり、励みになったり。
想いが報われなくても、振り絞った勇気が無駄にならない展開が、狂おしいほど好きで。
ナストの勇気を受け取ってくれた、江火野さんがますます好きになってしまう。
では受け取った勇気をどう使うか。
私はそれが、プレゼントを渡すことだと思っていました。
でも違いました。
プレゼントを渡し、「ありがとな、江火野」といったタロウに対し、江火野さんはナストからもらった勇気を使うのだ。
「あれ、今日は呼び方違うでしょ?」
初恋ゾンビは私を殺す気か
心臓が痛いくらいバクバクなるシーン。江火野さんそれはズルい。私を殺す呪文だ。
「あれ?」以降の言葉を、どれだけ江火野さんが勇気を振り絞って発したことか。
江火野さんが愛おしくて、抱きしめたい。
タロウのギクっていう描写が、また憎らしい。
分かっているのだ。今それをしたら、自分の気持ちが進んでしまうことが。
ここからのやり取りは、本当に面白い。
一度はタロウは拒む気配を見せつつも、江火野さんが待っていることを察して。
そしてそれを、今のタロウは拒めない。あの僅かな時間で、タロウの葛藤がどんなものだったか、全ては分からない。
言わないと拉致があかないと思ったことは、恐らく事実だ。
ただそれを言い訳にして、本当はタロウ自身も江火野さんのことを「芽依」と呼んでみたかった気持ちがあることもまた事実なのだ。
この僅かなやり取りに、二人の感情の揺れ動きが詰まっていました。
読み応えありすぎでしょこのシーン。
しかし本命は、この次の見開きというから初恋ゾンビは恐ろしい。
描かれたのは、江火野さんの笑顔。
名前で呼ばれるのが恥ずかしくて、吹き出すように笑った江火野さんの姿が、全てを塗り替えていく。
世界が君色に染まっていく。
それまで持っていた色んな気持ちを吹き飛ばして、もう幼なじみしか見えない。
あんな風に笑うタロウを、ほとんど見たことありません。
それまでの少し重苦しい雰囲気を、江火野さんにこれ以上惹かれまいという気持ちを全て吹き飛ばした。
間違いなくあの瞬間、タロウは江火野さんしか見えていなかった。
かつてのプール回で、二人で見つめ合った時を思い出してしまいました。
あの時以上に、タロウは江火野さんに惹かれていることが分かってしまうシーン。
悔しいくらい、私自身も魅了されてしまって。
好きって気持ちは、残酷なくらい強烈なものだなと思いました。
江火野さんに惹かれまいとするタロウの気持ちを、こんなにも容易く凌駕してしまうのだから。
イヴの涙
この話は実は江火野さん回のようで、江火野さん回ではありません。
今回のタイトルは「TWINKLE NIGHT」
調べたところ、TM NETWORKのミニアルバム(とそれに収録されている曲)のようです。
これの歌詞がまた……色々と今回の話と絡めて考えると、興味深いものがあります。
「涙を流す」「君を探さなくちゃ」といった歌詞を今回の話と絡めて考えてみると、あまり江火野さん回のタイトルという感じでもありません。
タロウが江火野さんに惹かれていた時、泣いていたのは……彼女でした。
これまでのイヴは、タロウが江火野さんに惹かれると眠りについていました。
それは他の初恋ゾンビと同じく、初恋を眠らせることによる冬眠形態に近いものだったのでしょう。
しかし今回はそれとは違い、涙を流していました。
理由はきっと、悲しかったから。タロウが江火野さんに惹かれていることが、初恋を想い出にしようとしていることが悲しかったから。
これまでと違うのは、初恋を眠らせる冬眠ではなく、初恋を想い出にする昇華に近い傾向だということなのでしょう。
だからイヴは、昇華していく初恋ゾンビに惹かれている。その姿に、安らぎを感じている。
気になっているのは、それまでサンタコスだったイヴの姿が制服姿になっていること。
タロウと出会った時、いつもいる時の原点とも言える姿になっていること。
言葉は少し不適切かもしれませんが、初期化という言葉が頭に浮かんでしまいました。
その姿こそが、きっと今のイヴの原点。タロウの中にあるイヴの姿。
想い出になった時に……きっと浮かぶ姿。
考えただけで苦しくなってしまいました。
心がどうしようもないくらい、ザワザワしてしまう。
江火野さんを応援したい気持ちはもちろんあるけど、だからといってそれはイヴが消えることを望む気持ちではなくて。
なんて複雑な気持ちを読者に持たせてくるんだ、初恋ゾンビって漫画はもう……!
まとめ
今日から単行本発売ですみんな3冊は買ってな私は5冊買うから(真面目)
江火野回であり、イヴ回であった今回の話は本当に凄かった。ちょっと震えるくらいのレベル。
ちなみに肝心の誕生日プレゼントは手袋でした。
そこで他の人が見逃しがちな気になるやりとりが。これ絶対フラグだから。
ちゃっかり次に会う口実を作っておく江火野さんが流石だ。
ふふふ、私は見逃さないぞ峰浪りょう先生!