いつかたどり着く

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「背すじをピン!と」応えられる私でいたい。溢れだした気持ちに、泣きたくなるくらい心が震えた

今週のすじピンが熱すぎる!


まだまだ荒削りさを見せながらも、確実に進歩し続けるつっちーと渡ちゃんペア。
前大会では宮大工ペア覚醒のきっかけとなりましたが、今大会では、同年代だけではなく偉大な先輩を奮い立たせることになりました。


今大会が最後の、土井垣・綾辻ペア。
つっちー達のダンスを見て、「降りた」はずのリオが、心を奮い立たせるシーンが、泣きたくなるほど素晴らしかった。

勝てない


土井垣・綾辻ペアはアマチュア屈指のペアとして、早くから評価されていました。
けれど、決して1番になることはない。
そこには、大きく立ちふさがる同年代の壁があったから。


とは言え、土井垣たちのコーチである土井垣姉からすれば、トップの咲本組と彼らの力の差は殆ど無い。
それなのに、勝てない。
リオはそれを、自分のせいだと感じていました。


土井垣は、咲本にも負けていない。
勝てないのは、自分が土井垣についていけていないからだ……と。


自分とは対照的に、咲本のペアである沙羅は物怖じせずパートナーに真っ向から向き合う。


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見えるのは、彼らの背中ばかり。
決して前に立つことはない。


いつしかリオは、主役になることを諦めていました。
主役になり得る人間は、沙羅や秋子のような人間なのだ……と。


そんな彼女を奮い立たせたのは、主役側の人間ではありません。
つっちーと渡ペアです。


溢れ出す気持ち。勝ちたいという意思。


つっちーたちは、リオが考える主役のようなタイプではありません。
それなのに、彼らは戦うことをやめない。
黄金世代3組と同じフロアでも、自分たちのダンスを出しきります。


実力差があっても、勝負を降りない。


彼らの姿を見て、リオの心が震えるのが容易に読み取れました。
二人を育ててきたのは、間違いなくリオたちです。


その彼らが戦っているのに、なぜ自分は降りていられるのか。
いや、降りていられるわけがない。


負けられない理由もありました。
それは、二人がペアとして出る最後の大会だということ。


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ペアを解消しても、二人で踊ることはできる。
リオは、そう考えていたかもしれません。


確かに、それは間違いではないでしょう。
けれど、上を目指して練習してきた、二人の競技ダンスが終わる。


その事実と、正面から向き合った時、気持ちが溢れ出す。


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積み重ねた時間の大きさが、伝わってくる。
それだけじゃない。
その日々が、どれほど大切だったかさえ、痛いほど伝わってくる。


土井垣の想いに応えたい。
それ以上に、リオ自身の勝ちたいという気持ちが、熱となって紙面から溢れだしていました。


これが熱くならないわけがないだろ!


読む手に力が入り、泣きそうになるくらい心が震えました。
どの漫画もそうですが、気持ちが溢れ出すシーンを上手に描かれると、胸が熱くなって仕方ない。


二人で勝ちたい。


強いその気持ちが、読者の心を打ち抜きました。

終わりに


今週のジャンプで一番印象に残った漫画は、僕の中ではすじピンでした。
それくらい、心震える内容だったと思います。


凄く個人的な話ですが、土井垣の衣装を摘むリオが可愛くて幸せ。


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引き止めたいけど、どこか弱々しいというか、自信なさげというか。
聞いて欲しい、側にいて欲しいという気持ちが、よく伝わってきます。
抱きしめて引き止めるより、端を摘んで引き止めるシーンが、僕は大好きだったり(笑)


この後、土井垣がその手を優しく握り締めるシーンが、また愛しさが伝わってきて素敵なんですよ。
もう、今週号は見どころしかないな!

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