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「暁のヨナ」言葉が、嬉しくて苦しい

嬉しくて苦しい。


暁のヨナ 19 (花とゆめCOMICS)

暁のヨナ 19 (花とゆめCOMICS)


一見矛盾するかのような言葉ですが、暁のヨナ19巻を読むと、それがすっと心に落ちてきます。
19巻は、ヨナの気持ちという意味では、ターニングポイントと言える巻になっていました。

ヨナとハク


城にいる間も、城を抜けだしてからも、ハクはヨナをずっと守り続けてきました。
ヨナもまた、旅を通して成長し、ハクを守れるくらい強くあろうとします。


シンアが過去の青龍の念に囚われ、暗闇の中散り散りにさせられる窮地の中でも、ヨナは屈しません。
青龍の念にハクが当てられる中、ハクを抱きしめ守ろうとする意思を見せます。


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凛々しい……と思ったすぐ下のコマは非常に可愛い。
ハクが珍しくかなり動転しているのがよく分かります。可愛いなこいつら。
凛々しさと可愛さを備え持つ、ヨナってば最強ね!


そんなヨナとハクですが、スウォンに対する考え方は少し違います。
ヨナはスウォンを許したわけではありませんが、彼の考えを知り、自分がどう行動するかを考えたいと話しています。
ただハクは、スウォンを許すことはありません。


誰よりも信じたから。自分を殺してまで、守ろうと思った未来があったから。


ヨナは、ハクの悲しみを誰よりも理解していました。いや、二人をよく知る彼女にしか分からないほど深い悲しみなのでしょう。
ハクが幸せになれるように、そう願ってヨナは贈り物をします。
ここから、胸が締め付けられる展開が待っていた。


あんたが幸せになってくれたなら 俺はそれで十分 幸せですよ


月夜の夜に二人。飾らない言葉。素直な気持ち。


ハクの淡々とした、しかし偽りのない言葉がヨナの心を強く揺さぶりました。


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描写は無くても分かります。心の中で、ハクの言葉が何回もリフレインされたことが。
強く強く、彼女の心に響きました。
心の底からヨナを大切に想う、優しい言葉。


嬉しいのに、苦しい。


ヨナがはっきりと、自分にとってハクが特別だと自覚するシーンでした。
もう読んでいて、私の方の心にも突き刺さる。
ただ嬉しいだけじゃない、特別な人の言葉だからこその苦しさというのが伝わってくる。


この切なさに、ただただ当てられてしまいました。
心を揺さぶられる、暁のヨナ屈指の名シーンです。

ヨナと四龍


ヨナにとってハクは特別ですが、四龍もまた彼女にとって特別な存在です。
しかし、それはハクへの想いとは違う。
19巻ではそんなことも感じさせられました。


ヨナが四龍たちをないがしろにするなんてことは当然ありません。
読者にそう感じさせたのは、四龍の立場からハクとヨナを見た時でした。


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街での買い物の中、ヨナに話しかけようとしたキジャ。
そこに写っていたのは、楽しそうなヨナの姿でした。


キジャはその姿を離れたところから眺め、話しかけないことを選択しました。
話しかけても、ヨナはいつも通りキジャとも明るく話すでしょう。
ヨナは四龍のことも大好きです。


四龍もまた、ヨナが大好きです。
だからこそ分かってしまうのでしょう。ハクといるヨナが、本当に楽しそうなことを。


ヨナとハクとは違う切なさを、このシーンで感じさせられました。
届かない想いとも言うべき切なさを、四龍はこの先持ちながら旅を続けるのかもしれません。


何となくですが、四龍のヨナへの気持ちに関してはジェハが何かきっかけとなる行動をするような気がしています。
起用で不器用な彼は、一番辛くなるかもしれません。


それを思うと、今から少し心がザワザワしてしまいますね(笑)


暁のヨナ19巻は、非常に感情を揺さぶられる展開でした。
ヨナがハクを特別だと自覚するあのシーンを、私は何度も読み返してしまいます。
嬉しくて苦しい。


この言葉、切ないなあ。


【18巻感想】
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