オトコでも読める少女漫画!という作品を集めてみました。
【オトコ編】はBEST20でしたが、少女漫画は少年漫画ほど読み込めてはいないので、BEST10形式で紹介します。
まあ別にランキング形式にする意味はそんなにないけど、おすすめの目安があったほうが分かりやすいかなと。
上半期振り返りがホットな話題でいられるのは7月までだ!ということでやっちゃいます。
10位 クジラの子らは砂上に歌う
- 作者: 梅田阿比
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2013/12/16
- メディア: コミック
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去年このマンガがすごい!でランクインするまで全く知らなかった作品ですが、これほど深い世界観を持った少女漫画があったなんて……と驚いたものです。
ナウシカが好きな人にオススメしたい類の作品です。
平和だった泥クジラが争いに巻き込まれ、仲間を多数失いながらも生きようとする姿は、どこか胸を打つものがありました。
生きるということは、誰かの意思を紡ぐ行為でもあるということを、この作品は教えてくれます。
主人公が第一線で戦うタイプではなく、語り手的なポジションなのがまた面白い。
彼の戦いは記録すること。忘れないこと。
それは簡単なようで、そこで何があったか、誰かが生きていた証を残す、重要な戦いなのだということが伝わってきます。
広がりを見せ続ける世界の中で、泥クジラの住人たちが辿り着く先はどこなのか、非常に楽しみです。
9位 こいいじ
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/03/13
- メディア: コミック
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30歳女性。ずっと片想い。報われない片想い。
それでも、諦められない。
ピュアな想いに、胸を打たれました。
大人になったら、思春期の頃のようなキラキラした恋ではなく、色々な要素が絡んだ打算的な恋が多くなっていく。
そんなイメージを、この作品は知らないとばかりに壊していきます。
好きな人のいつもと少し違うおどけた仕草に、どうしようもなく悶えたり。
この30歳、可愛すぎる……!
こいいじというタイトルが、実にしっくりくる作品でした。
いじらしい恋の行方を、もう見守るしかない。
8位 青山月子です!
- 作者: 湯木のじん
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/02/25
- メディア: コミック
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この作品の主人公は、今の少女漫画で一番応援したい主人公です。
交通事故で記憶を失った月子は、かつての「青山月子」になろうと努力し、その結果周囲から浮いていました。
しかし一人の転校生、加賀美との出会いで少しずつ変わっていきます。
どう変わっていくかというと、「普通の女の子」になっていくんですよ。
それまでの月子は、「かつての月子」を演じようとする、自分を持っていない少女でした。
かつての月子ならこうしているだろう、そういった考えを持って行動していました。
それが加賀美と出会い、自分の中にある「今の月子」としての感情が表に出始めます。
芽生えたその感情を、当たり前ですが月子が理解せず、言葉に出来ない様がもどかしいし、頑張れって応援したくなる。
2巻のこの涙を流す月子が、たまらなく愛おしかった。
かつての月子を演じたのは、かつての月子が戻ってくることをみんなに望まれたから。
それが叶わなかった時、月子の居場所は無くなっていました。
でも今は違う。かつての月子ではなく、「今の月子」を好きだと言ってくれる人たちがいる。
ずっと抱えてきた想いが、溢れたこのシーンは本当にグッときました。
自分という存在がここに在ってもいいのか、彼女はずっと悩んでいたのかもしれません。
かつての月子になれない自分が、ここにいても良いのかと。
こんな少女を、応援したくならないわけがない!
というわけで、みんな買って応援して下さい(真面目)
7位 塩田先生と雨井ちゃん
- 作者: なかとかくみこ
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2015/05/17
- メディア: コミック
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この漫画は、愛しさが溢れてくる。
教師と生徒の恋。みんなに隠しながらも、極々自然に寄り添う二人の姿は、微笑ましい。
思わずため息が漏れるシーンがありました。
塩田先生が風邪を引き、雨井ちゃんが看病をするシーンです。
好きといったわけではない。愛しているといったわけでもない。
それなのに、このシーンはどうしようもないほど愛しさで溢れている。
雨井ちゃんがどれだけ先生を愛おしく想っているか、ここだけで読み取れてしまいます。
ため息が出るほど、魅了されてしまいました。
作中の誰かに対する愛しさが伝わってくる作品が大好きです。
この作品の愛しさは、アラサーの男だけどキュンとなりました。
6位 星上くんはどうかしている
- 作者: アサダニッキ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/11/13
- メディア: コミック
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王子様系の弟と、犬系男子の兄。
そんな双子と交流を持った女子高生の物語です。
主人公のいさりはクラスの中で上手く立ちまわっていましたが、双子の兄・望と友達になるためにヒエラルキーの最下位まで落ちます。
ただそこから望の頑張り、クラスメイトの頑張りもあってまた良好な関係を築いていました。
その中で、彼女は望への恋心を自覚します。
ただ、望の中で一番の友人というポジションになってしまった彼女は、そこから恋に発展させるのがなかなか難しい。
それでも、想う気持ちが溢れてくる。
ずっと友達でいたら、傷つくことも、傷つけられることもないかもしれない。
そう思っていても、好きという気持ちは抑えられない。友達の先に進みたい。
あまりの切なさに、私がどうにかなりそうだった。
胸が締め付けられるとはどういうことか、この漫画で再確認させられてしまいました。
届かない気持ち、届けたい気持ち。甘酸っぱい恋心に、当てられてしまいました。読み終わった後のクールダウンは必須。
5位 暁のヨナ
- 作者: 草凪みずほ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: コミック
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星上くんはどうかしているとのデッドヒートを制し、私が愛読している暁のヨナが5位にランクイン。
激動の水の部族編を終えて待っていたのは、ヨナがハクへの想いを自覚し始めるというご褒美展開でした。
地の部族の土地で出会った少年を親元に送るために、ヨナ一行は隣国・戎帝国を訪れます。
相変わらず、賑やかな一行ですが、ヨナの目に止まったのは、たった一人の笑顔。
スウォンとの再開では憎しみに我を忘れたハクが、今はまた笑っている。それがヨナには嬉しくて。
ハクを見て嬉しそうにしている姿を気づいたのは読者だけではなく、保護していた少年も気づいていました。
そのことを指摘されたシーンが、ご褒美以外の何物でもなかった。
そうそうこれだよ、これを私は見たかったんだ!
旅の中で少しずつヨナの中で育っていた想いが、ようやく芽吹き始めています。
ヨナは自分の気持ちに名前こそつけていませんが、もうこの赤面こそが何よりの証拠です。
言葉の意味を反芻するかのような「間」がまた良い味を出している。
その後に、ハクがこの会話に加わるあたりが展開的に美味しい。
草凪みずほ先生がわかりすぎていて困る。
凛々しく、そして可愛い。
こんなヒロイン、反則です。
4位 宇宙を駆けるよだか
- 作者: 川端志季
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/02/25
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ここから先はどの作品が1位でもおかしくありません。私も自分で書いてますが、これ1位じゃないんだと正直驚いています。
誰からも好かれる少女だったあゆみは、デート中に体が入れ替わってしまいます。
クラスのヒエラルキーの底辺になってしまった彼女は、誰からも、彼氏でさえも入れ替わったことに気づいてもらえず途方にくれてしまいます。
それでも少し経つと、仕草、筆跡などから一人の男の子に気づいてもらうことができました。
姿が変わっても、自分であることに気づいてもらえる。自分であることを認めてもらえる。
それがどんなに嬉しいことか、容易に想像できます。
気づいた少年が、ずっとあゆむを想っていたからこそ気づいたというのがまたね。
本当に好きだったからこそ気づけた、というのが伝わってくるのが非常に良い。
少女漫画のヒロインとしてはかなり異例な見た目ですが、人の良さ・優しさはフィルターにかかることなく伝わってくるのが素敵。
ただ彼氏も何か想うことがあるようで、次巻はまた一悶着ありそうです。
先の読めない展開に、圧倒されてしまった1巻でした。読んでいる最中はもうのめり込んでたね。凄い1巻でした。
続きが待ち遠しい。
3位 アンの世界地図
アンの世界地図~It’s a small world~ 2 (ボニータコミックス)
- 作者: 吟鳥子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2014/10/16
- メディア: コミック
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これ1位じゃないんだと正直驚きました(自分で書いてて)
初めて読んだ時は、こんなに面白い少女漫画があったのかとすぐに続きを買いに行った記憶があります。
狭い世界を飛び出したアンは、見るものが全て新鮮で。
徳島で過ごす彼女の生活は、彼女からすると自分の地図を書いているような感覚なのかもしれません。
毎日のように、世界が広がっていく。
厳しくも優しい、そして暖かい世界がアンの地図に描かれていく。
その様を眺めていくのが、たまらなく心地良い。
誰かとぶつかっても、話すことを止めなければ繋がっていけるということが伝わってきます。
ご近所家族の在り方は、読んでいて不覚にもグッときました。
アンは同居人、アキのことを知るうちに、今とは付き合い方が変わるかもしれません。
それでも、「一緒にいたい」という気持ちを持ち続けることができれば、関わり方は変わっても家族としての在り方は変わらないんだろうなと思います。
この物語の魅力を、文章にするのは凄く難しい。感想サイトとしては恥ずかしい限りですが(笑)
ということで、試し読みして下さい!
2位 覆面系ノイズ
- 作者: 福山リョウコ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/07/17
- メディア: コミック
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これ1位じゃないんだと正直(ry
本当の心を隠し続ける少年少女の物語。
好きという気持ちを隠しながら、それでも作る曲や歌にその想いは確かに込められています。
主人公のニノはモモに想いが届かないと自分で思いつつも、即興で作った歌に、好きが溢れる。
彼女の悪口は、それだけモモのことを見てきたから。思ってきたら出ている言葉だということが分かる。
「好き」という単語は声になりませんでしたが、発するための口の形を作っているニノの表情から、モモに対する愛しさが伝わってきて切なかった。
この漫画の魅力は、伝えられない・届かない切なさというのも確かにありますが、爆発力も大きな魅力です。
立ち去ろうとするモモを引き止めるためのライブの破壊力は、凄まじいものがありました。
全てを引き込む渦のように、聞こえないはずのライブから目が話せなくなります。
ゾクッとするようなシーンが多く、中毒的にハマってしまう漫画です。
定期的に覆面系ノイズを読まないと、生きていけない体になってるかもしれない。
とりあえず、特設サイト見ればもう読みたくなってると思う。
1位 君曜日
- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/01/30
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気がついたらこの作品が1位になってた。やっぱり好き。
何回見ても良い表紙です。
まさに、君が微笑む、世界が変わるという帯がふさわしい。
夏祭りのシーンでは小平の幼なじみが、小平にアプローチをかけましたがその想いは届かず。
これがまた切ないシーンでした。
表紙の亜子の笑顔が最高に素敵なのは間違いないんですが、裏表紙は亜子の笑顔の先にいるであろう小平を遠くから見つめている幼なじみが描かれていて。
切なすぎて悶絶する。
またヒロインの亜子が、まだ名前の付いていない気持ちに名前を付けに行こうとするシーンがたまらなく好きなんですよ。
踏み出した一歩。僅かでも確かな一歩。
それは小平の幼なじみが夏祭りで踏み出した一歩で、きっと届く……亜子の一歩。
どうなるか分からない、どうしたいかも分からない。
それでも、踏み出したくなった。
この一連の流れが好きすぎて悶える。幸せ。
熱く語りすぎて申し訳ない。この漫画、大好きなんです。
終わりに
オトコ編ほどじゃないけど、長い記事になりました。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
ちなみに次点は高嶺と花です。
- 作者: 師走ゆき
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/03/20
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これも期待している作品です。
少女漫画はあまり手を付けていなかった分野なので、探せば知らなかった面白い作品が続々と見つかって楽しい。
花ゆめ以外にも、何か購読しようか検討中。おすすめがあれば教えて下さい。
オトコ編も書いてます。合わせてどうぞ。