いつかたどり着く

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「ふだつきのキョーコちゃん」僕たちは、至高のギャップに出会う旅をしている

読むことは旅をすることという表現を、どこかで聞きました。

そうであるならば、本だけでなく漫画を読むこともまた、旅をしているようなものかもしれません。

 

ふだつきのキョーコちゃんを読む時、私は至高のギャップを味わうための旅をしている気分になります。3巻はまさに、至高のギャップに出会う旅でした。

 

 

ふだつきのキョーコちゃん 3 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

ふだつきのキョーコちゃん 3 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

 

 

言えないけど、言わないけど。

 

この漫画のヒロイン、キョーコちゃんはキョンシーです。

普通の人の何倍も力が強く、定期的に血を吸わないと動けなくなってしまいます。

 

キョーコの兄、ケンジはいつもそのフォローをしています。

時にはやりすぎってくらい。

 

その過保護っぷりは学校でも有名で、不良とシスコンというレッテルを貼られています。最も、前者は望んで貼られているもので、後者はやや否定気味ではありますが。

 

キョーコの性格としては、クールに見えますが兄に対しては怒りっぽい。

過保護に辟易している時もあります。

 

しかし、リボンを外した時のキョーコは強制的に素直になってしまうため、自分のために頑張ってくれている兄への想いが溢れてしまいます。

このギャップが、たまらない。

 

キョーコに血を吸わせるため、何とか人目につかないところで落ち合おうとする

ケンジ。リボンを取る前は、「まったく何してたのよ!?」とキョーコちゃんはご立腹でした。

 

 

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それが次のページではこんな素晴らしい展開に。

キョーコが見せるギャップがもうね、読者にはたまらない。

 

この1ページだけで、ギャップ萌えが語れてしまうレベルです。

通常に戻ったキョーコの反応が、可愛すぎます。

赤面天使という造語を作りたくなった。

 

素直に戻った時の自分の言動はしっかりと覚えているので、赤面するのも最もではありますが。

両手を顔に当てる仕草まで可愛い。マーベラスの一言。

 

しかし、ここが旅の終点ではない。

 

友人と兄の関係で悩むキョーコですが、ケンジに対し悩みの中身を隠そうとします。

ケンジは何とかそれを探ろうとしますが、キョーコも譲りません。

やりとりを続けるうちに、いつしか違った悩みがキョーコに生まれていました。

 

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ああ、この旅はこの一言を聞くための旅だったんだ。

 

普段のキョーコなら、間違いなく言わない想い。

この兄妹は、普通の兄妹ではありません。人の目がある場所では、演じなければいけないものがあったりします。

 

 だからこそ、家の中で過ごす、普通の兄弟でいられる休日が、キョーコにとっては大切なんでしょう。

キョーコの性格的に恥ずかしく言えない、本当の気持ち。

リボンを結んだあとも、この発言を否定しなかったことから、これが伝えたかった気持ちであることが読み取れました。

 

素直になったキョーコの言葉に、ハートを撃ち抜かれました。

全国のお兄ちゃんも、きっと撃ちぬかれたことだと思います。

普段とのギャップがある分、その破壊力も絶大でした。

妹のいない読者に、妹が欲しいと思わせるレベル。

 

 

実に素晴らしい内容でした。堪能したね。

 

 

【オマケ】ロッテの右のエースと言えば

 

帯ギュで、生返事をしている麻里に海老塚が上記のように問いかけるシーンがありますが、ふだつきのキョーコちゃんのこのシーンでちょっとそれを思い出した。

 

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多分この状態、何を問いかけてもそっかになると思います。上手い問いかけが思いつかないけど、そんなやり取りがちょっと見たかった(笑)

夢中で愛でているキョーコの可愛さを堪能できただけで、充分ではあるけど。

 

しかしポエムっぽい記事に定評のある私ですが、その中でもトップクラスにポエミーだなこの記事。

 

 

 

からかい上手の高木さん(1) (少年サンデーコミックススペシャル)

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