読むことは旅をすることという表現を、どこかで聞きました。
そうであるならば、本だけでなく漫画を読むこともまた、旅をしているようなものかもしれません。
ふだつきのキョーコちゃんを読む時、私は至高のギャップを味わうための旅をしている気分になります。3巻はまさに、至高のギャップに出会う旅でした。
ふだつきのキョーコちゃん 3 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
- 作者: 山本崇一朗
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/11/12
- メディア: コミック
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言えないけど、言わないけど。
この漫画のヒロイン、キョーコちゃんはキョンシーです。
普通の人の何倍も力が強く、定期的に血を吸わないと動けなくなってしまいます。
キョーコの兄、ケンジはいつもそのフォローをしています。
時にはやりすぎってくらい。
その過保護っぷりは学校でも有名で、不良とシスコンというレッテルを貼られています。最も、前者は望んで貼られているもので、後者はやや否定気味ではありますが。
キョーコの性格としては、クールに見えますが兄に対しては怒りっぽい。
過保護に辟易している時もあります。
しかし、リボンを外した時のキョーコは強制的に素直になってしまうため、自分のために頑張ってくれている兄への想いが溢れてしまいます。
このギャップが、たまらない。
キョーコに血を吸わせるため、何とか人目につかないところで落ち合おうとする
ケンジ。リボンを取る前は、「まったく何してたのよ!?」とキョーコちゃんはご立腹でした。
それが次のページではこんな素晴らしい展開に。
キョーコが見せるギャップがもうね、読者にはたまらない。
この1ページだけで、ギャップ萌えが語れてしまうレベルです。
通常に戻ったキョーコの反応が、可愛すぎます。
赤面天使という造語を作りたくなった。
素直に戻った時の自分の言動はしっかりと覚えているので、赤面するのも最もではありますが。
両手を顔に当てる仕草まで可愛い。マーベラスの一言。
しかし、ここが旅の終点ではない。
友人と兄の関係で悩むキョーコですが、ケンジに対し悩みの中身を隠そうとします。
ケンジは何とかそれを探ろうとしますが、キョーコも譲りません。
やりとりを続けるうちに、いつしか違った悩みがキョーコに生まれていました。
ああ、この旅はこの一言を聞くための旅だったんだ。
普段のキョーコなら、間違いなく言わない想い。
この兄妹は、普通の兄妹ではありません。人の目がある場所では、演じなければいけないものがあったりします。
だからこそ、家の中で過ごす、普通の兄弟でいられる休日が、キョーコにとっては大切なんでしょう。
キョーコの性格的に恥ずかしく言えない、本当の気持ち。
リボンを結んだあとも、この発言を否定しなかったことから、これが伝えたかった気持ちであることが読み取れました。
素直になったキョーコの言葉に、ハートを撃ち抜かれました。
全国のお兄ちゃんも、きっと撃ちぬかれたことだと思います。
普段とのギャップがある分、その破壊力も絶大でした。
妹のいない読者に、妹が欲しいと思わせるレベル。
実に素晴らしい内容でした。堪能したね。
【オマケ】ロッテの右のエースと言えば
帯ギュで、生返事をしている麻里に海老塚が上記のように問いかけるシーンがありますが、ふだつきのキョーコちゃんのこのシーンでちょっとそれを思い出した。
多分この状態、何を問いかけてもそっかになると思います。上手い問いかけが思いつかないけど、そんなやり取りがちょっと見たかった(笑)
夢中で愛でているキョーコの可愛さを堪能できただけで、充分ではあるけど。
しかしポエムっぽい記事に定評のある私ですが、その中でもトップクラスにポエミーだなこの記事。
からかい上手の高木さん(1) (少年サンデーコミックススペシャル)
- 作者: 山本崇一朗
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/09/10
- メディア: Kindle版
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