心から、心から発売を楽しみにしていた漫画が先日発売されました。
- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/01/30
- メディア: コミック
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鉄道少女漫画としてのカウントは3巻、君曜日としてのカウントは2巻になります。
この表紙の圧倒的オーラ。良作の香りしかしない。
前巻の感想は下記リンク参照。
今、この漫画をおすすめしたい。君といる日は「君曜日」 - いつかたどり着く
届かない気持ち。ただただ、切なくて。
この物語は、亜子ちゃんと小平くんの関係を中心に描かれた物語です。
しかし、この巻ではもう一人重要な人物がいます。小平の幼なじみの少女です。
彼女は小平のことが好きでした。亜子にも、そのことを宣言しています。
夏祭りの日、彼女は小平と一緒に回ることに成功しました。
ちょっとしたやり取り。小平の後ろ姿。
それを見つめる彼女の姿は、紛れも無く恋する少女でした。
離れていこうとするその背中に、勇気を出して声をかけます。
一緒にいたい、側にいたい。そういった想いが伝わってきます。
余談ですが、このシーンの構成が素晴らしい。
佇む足、離れていく足。
足だけのコマを入れた後に、勇気を出してかける言葉。
一瞬の間にためらいと決断があったことが、ありありと伝わってきます。この「間」の取り方が素晴らしすぎる。
しかしそんな中で、小平たちは亜子に出会ってしまいます。
幼なじみの浴衣姿を見た時、小平は「スゲーな」と言いました。
語彙に乏しいと思いながらも、幼なじみの少女は、二度発せられたその言葉が嬉しくて仕方ありませんでした。
しかし、小平が亜子の浴衣姿を見た時に分かってしまう。
言葉なんていらないくらいに。
小平が亜子の浴衣姿を見て、どう思ったかが。一瞬で、魅了されてしまったかが。
幼なじみだから分かる。いや、大好き人のことだから分かる。
自分の想いが、小平に届かないことが。
基本的に、亜子と小平のやりとりが私は大好きです。
でも、この話では幼なじみを思わずにいられなかった。好きだけど、届くことのない気持ちが、胸を締め付ける。
叶わぬ思いの切なさに、悶絶するのみでした。
この後、小平がちょっと対応ひどいなあと想うこともあったんですよ。
でも何というか、優しさが返って人を傷つけることを、小平は本能的に知っているのかなあとも思います。
泣き崩れる幼なじみを見た時の小平の目も、やっぱり苦しそうで。
声をかけるわけでもなく、側にいてあげたのが、彼ができる最大限のことだったのでしょう。
涙をこらえて 笑顔でさようなら せつないよね
あの花のED(まあ原曲はあるけど)の歌詞の通りだった。涙をこらえての笑顔がただただ切なかった。
名前のない気持ち。踏み出す一歩。
亜子と小平の交流は夏祭りではほとんどなかったものの、秋になると一緒にSLに乗りに行くというイベントが発生。
もうね、この一泊二日の旅行は、二人が可愛くて幸せでした。
「恋」とは認めていないものの、友達以上の二人のやりとりは赤面するようなことばかりで。
互いを意識しているのが、その赤面から容易に読み取れます。
亜子が小平のことをこんなにも意識するようになっているんだと思うと、ニヤニヤが止まりません。
デート言われた時の二人の赤面顔がもう、もう!
近くにあった枕を殴るくらい、悶えていました。
亜子は何とか否定しようとするも、小平はそれに関してノーコメント。可愛いなあ小平(笑)
小平は自分の名前が嫌いだったりしますが、亜子が笑っていたら、その気持ちどっかに消えてしまっていて。
帯の謳い文句「君が微笑む。世界が変わる」は全く嘘じゃないな、と読んでいて思いました。
好きな娘の笑顔は、世界をも変えてしまう魔法なのかもしれない。
友達以上恋人未満の関係を友人に尋ねられた時に、「見ていたい」「ずっと一緒にいたい」という気持ちを形にしたくない、もっと先にしたいという亜子。
友人には変わるのが怖いのねと言われますが、気持ちはよく分かります。
それでも、いつかは変わる時が来る。その気持ちに、名前をつける時が来る。
踏み出した一歩。僅かでも確かな一歩。
それは小平の幼なじみが夏祭りで踏み出した一歩で、きっと届く……亜子の一歩。
どうなるか分からない、どうしたいかも分からない。
それでも、踏み出したくなった。
この一連の流れが好きすぎて悶える。幸せ。
君曜日2巻も、実に素晴らしい内容でした。
マーベラスという言葉でも足りない。何なんだこの漫画は!
中村明日美子の巻末コメントによると
「恋をあきらめるのに1冊」「次の恋に気づくのが1冊」「そのさらに先に行くのにもう1冊」
とのこと。つまり次の巻は、約束された勝利の巻。楽しみすぎる。
ちなみに、表紙の圧倒的良作オーラの話を最初にしましたが、背表紙もぜひ見て下さい。
ヒロインの微笑みの先にいるであろう男の子のことが好きな、幼なじみが描かれています。
少し離れたところから、その光景を見つめていて。背表紙がすでに切なくて。。。
君曜日、その全てに僕たちは悶えるんだ。
- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 白泉社
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- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2011/01/31
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- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2008/01/04
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