いつかたどり着く

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漫画とかの駄文書く。

「初恋ゾンビ」叶わなかった恋の行方。切なくて、綺麗

叶わない恋。


初恋は叶わないなんて俗説もよく耳にすることがありますが、初恋ゾンビで描かれる「初恋」は、そのほとんどが成就しています。
今週までのシリーズは、初の叶わない恋を描いていて、それもなかなかの歪みっぷりで話題になりました。
特にイブスキーな方々のヘイトを集めた、叶わぬ恋をした席田くんですが、終わってみればシリーズで一番切なくて綺麗なENDだったかもしれません。


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今回は、そんな席田くんの初恋を巡るシリーズを振り返ります。

タロウの勘違い


席田くんの初恋は、指宿くんが中心になって舵取りが行われました。
指宿くんが女の子であることも見破っており、思わぬ方向に話が飛ぶことも。
その様子を伺っている江火野さんとしては、指宿くんを助けなきゃ!と強く感じていて。


いつも以上に指宿くんに急接近し、指宿くんも他にいない女友達ということもあって、嬉しそうな様子。
読者から見ると、微笑ましい女の子同士の友情ですが、タロウから見るとまた違うわけで。
嫉妬して、モヤモヤするタロウはなかなかに珍しい。


これも誰への嫉妬かややこしい状況ですが、どうやら指宿くんと仲良くする江火野さんに嫉妬しているようです。
指宿くんへの想いが、まだ消えていないことが伺えます。
更には、タロウは指宿くんが「男である」と思い込んでいることが分かりました。


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「指宿くんもそう言ってくれた」という発言から、あの男宣言は、イブを想うタロウの気持ちを指宿くんが読み取ってくれたものだとタロウは理解しているのでしょう。
タロウはほぼ、指宿くんの性別に感づいていると見ていいでしょう。
それに気が付かないふりをしている……というのが、今の状況なのかもしれません。


気づいてしまえば、止められないから。
きっとまた指宿くんを好きになって、そしてその恋が成就すれば、イブは消えてしまう。
タロウは何としても、それを避けたいから、気づかないふりをする。


主人公だって切ないのである。


これ、タロウの心情を考えれば相当辛い状況です。
好きな気持ちがあるのに、他の大切な人のためにその気持ちを押し殺すということですから。
誰も悪くないのに、指宿くんやタロウは、なんでこんなに辛い恋をしているんだろうな……


江火野さんへの嫉妬から、タロウの初恋ゾンビであるイヴも影響を受けて、失恋ゾンビ化する事態に。
自我を持っているから忘れがちですが、イヴもまた初恋ゾンビ。
宿主の精神状態が強く反映されます。


他の初恋ゾンビならば、それもまた仕方のないことだと見れたかもしれません。
しかしイヴは自我を持っています。
失恋ゾンビ化したくないのに、タロウのことを悪く言いたくないのに、心が勝手に歪んでいく。
その姿は、見ていて辛い。


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タロウは、少しでもイヴが楽になるように、触れられないと分かっていても抱きしめる。
そこにあるのは、間違いなく愛しさ。
でもはっきりと言えなかった「好き」という言葉が、タロウがまだ自分の感情を整理しきれていないことを表しています。
自分が誰を好きなのか、自分自身で分からなくしているのだから。


タロウと指宿くん、そしてイヴの関係だけでいえば、きっとこの膠着状態が卒業するまで続き、指宿くんは二人の前から姿を消してタロウはイヴと暮らしていたような気がします。
でもきっと、そうはならない。
このシリーズの結末が、指宿くんやタロウ、そして江火野さんを動かすことになるはず。

叶わぬ恋の「先」を見て


すでに恋人がいる亜美に告白し、かなり主要キャラをかき乱した席田くん。
しかし、亜美をモデルに絵を描いた時、目の前にいてなお自分ではない誰かを想う様子の亜美を見て、自分の恋の行き先が見えたようでした。


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届かなかった想い。叶わなかった恋。
それでも、亜美に恋したことを「よかった」と席田くんは捉えたいと思ったのでしょう。
席田くんのそんな姿を見て、私は君曜日のある言葉を思い出しました。

好きって気持ちがかなわなくても 一方通行でも やっぱり 恋だと思うの…


報われなくてもやっぱりそれは恋で、時に醜さもあるのかもしれないけれど、好きになったこと、好きでいられたことを前向きに捉えられるものであって欲しい。
いつか時がすぎて、心を燃やしたことをほこれるように。
叶わなかった彼の初恋を、切なさや苦しさを感じさせながら、思わず「綺麗」と思ってしまうENDに導いた峰浪先生に拍手したい。


友達にバラされてあっけなくフラれたような初恋は封印したいけどな(ぉ

今後の展望


今までの初恋ゾンビは、色々なパターンの難しさを抱えた初恋が成就されていく展開でした。
ただ、今回は「叶わなかった恋」の先を描いていて、主要キャラもまたこれまでとは違った何かを感じ取ったはずです。
例えば、自分の今抱えている気持ちが届かなかった時に、席田くんのように「好きになってよかった」と思えるか……みたいに。


特にタロウと指宿くんは、それぞれ複雑な恋をしていることもあって、「失恋」を想像したこともあるかもしれません。
その痛みが怖くて、踏み出せないということが心の何処かにあったならば、今回のENDに何か感じて、踏み出す力になることもあるのかなと思います。


江火野さんは、今後失恋の可能性と向き合うことになるでしょう。
でも何となくですが、最初に江火野さんが動くんじゃないかなと個人的には思っています。
指宿くんのように、イブとタロウの関係を今のところは考慮することもないので。


この先ヒロインたちがどう動くか、誰の気持ちが報われるか、想像すると子供用にドキドキしちゃいます。
ただ一つ、私以上にドキドキしている読者に言いたい。


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恋をしたことを後悔させないというタロウを信じろ。


この台詞にときめいてる江火野さん、タロウを信じて恋を加速させる展開……あると思います!!

終わりに


君曜日も台詞もそうですが、クロスゲームの一葉さんの恋に関する台詞も個人的に大好きです。
「別れたら忘れるの。好きになったこと以外はね。ダメ?」という言葉が深い。さらっとしているけど至言です。


本作見ていると「初恋」が恋の中で最も尊いという印象もありますが、このシリーズで「次の恋」に触れられているのも面白いポイント。
初恋を自分の中で昇華して、次の恋が見つかる。
江火野さんへのタロウの気持ちは、多分その先にあるものなのかもしれません。


今までは、初恋を成就させることで初恋ゾンビを浄化していました。
それが、初恋を昇華させる形もあることを示した本シリーズの意義は、非常に大きい。
誰に一番大きいって、間違いなく江火野さんです。
江火野さんとタロウの恋に、1つのビジョンが示された。


これに気づいた読者がどれだけいるか分かりませんが、エビナーの私には痺れるような展開でした。
はあ、初恋ゾンビホント好き。

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