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漫画の世界に30分浸りたいなら、トーチwebで「高浜 寛」作品を読めばいい

web漫画を毎日読んでいるわけではありませんが、ふとweb漫画が読みたくなる瞬間があります。
数あるweb漫画の中でも、なかなか他では味わえない深さを感じさせてくれる作品があります。
それが「高浜 寛」の作品です。

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このレベルの作品がwebで読めるなんて、凄い時代だと思います。
まだ読んでない方は、30分は夢中になれることを保証しますよ!

蝶のみちゆき


「ごめんね 寂しか思いさせて……大丈夫 そうそう長くは待たせんけん……」
遠く響く三味線に異国の言葉が混じり合う長崎丸山。
絶世の花魁と重い病を抱えた一人の男の過去が、
やがて密やかな“愛と死”の物語を紡ぎ始める……


この作品は何というか、醜い部分も愛おしいと思わせるような何かがある。
心の中の上手く言葉にできない部分を、漫画に落として表現してくれる感じが凄く好きです。


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ちょっとした仕草や表情に、色気、あるいは人間味が感じられてたまらなく引き込まれます。
3話目は2月10日公開予定です。待てない人は単行本を買おう。


ニュクスの角灯


1878年(明治11年)、動乱の幕末は遠ざかり、長崎では海外貿易で莫大な利益を得る商人が多く現れはじめていた。
西南戦争で親を亡くした少女・美世(みよ)は奉公先を求めて鍛冶屋町の道具屋「蛮」(ばん)の扉を叩くが、そこで彼女を待っていたのは、店主・小浦百年(こうら・ももとし)がパリ万博で仕入れてきた最先端の品々と、それらに宿るベルエポックの興奮と喧騒だった……
ジャック・ドゥーセのドレス、ダニエル・ペーターのミルクチョコレート、シンガー社のミシン、セーラー服、エジソンの蓄音機、革ブーツ、眼鏡、幻灯機(マジック・ランタン)……
先進と享楽の都・パリ渡来からやってきた“夢の品々”に導かれ、少女はまだ見ぬ世界へ歩み出す……


少女の目を通して、長崎の商人の商売の様子が描かれています。
この作品の特徴は、眩しさ。
楽しかった時代、見るもの全てが輝いていたあの頃。そんな眩しさを存分に描いています。

この世界観が凄く好き。描かれる商品たちがどこからきてどこへ行くのか、少女と一緒に想いを馳せてしまう。
こちらの第3話は2月9日公開。もうすぐです。

SADGiRL


生きていこう、まるで挫折したことがないかのようにーー

主婦・村上詩織は睡眠薬の過剰摂取により救急搬送され、
翌日、失踪。二度と戻ることはなかった……
時に滑稽なほど墮ちて、墮ちて、墮ち切った先に
意外すぎる結末が……


人生の奈落でそっと輝く珠玉の中短編集」という表現が、実にしっくり来る作品です。
地獄から地獄。抜け出せない絶望。
この読後感を言い表せる言葉が、上手いこと見つかりません。


ただ間違いなく言えることは、心を揺れ動かす作品であること。心に刺さる作品であること。
それだけは確かです。つまり凄い作品ってことだよ!
3話が今日公開される予定です(この記事執筆時点ではまだ公開されてなかった)

まとめ

どの作品もそうですが、作品としての「深さ」がとにかく凄い。
圧倒される……という感じではないですが、その世界観に引きずり込まれていく。
もう1回リンク貼りますが、30分漫画の世界に浸りたいなら、トーチwebで読んでみてください。

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