いつかたどり着く

漫画を中心とした感想&レビューサイト。

「背すじをピン!と」楽しいということに気づいた時、心震える展開に出会った

すじピン!の勢いが衰えることを知らないようです。


最初のダンス大会で上手く行かなかったこと、文化祭で楽しんで踊れたこと。
これまでの経験を確実に糧にして、つっちーと渡ちゃんは今大会に望めています。


技術は拙い。彼らの武器は、全力で楽しむこと。


それは周りさえ巻き込んでしまうレベルに達していました。
ライバルと呼ぶのもおこがましいような、同年代最強ペアの御木組。
彼らにさえ、つっちーたちの楽しんでダンスするということが伝染してしまう。


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つっちーの表情、渡ちゃんの笑顔。間違いない、これが楽しいってことだ。

渡ちゃんが大会で、笑顔で楽しそうに踊っているということが、前回を知っているからこそこみ上げてくるものがある。
努力して、支えあって、彼らはこの舞台まで辿り着いたのがだということを、今更実感する。

舞台袖で、つっちーたちが一次予選のその後について話すシーンがあります。
絶対に通過できる、彼らはそんなことは言いませんでした。


しかし、まだ踊りたい、もっと踊りたい。
その言葉から、彼らの秘めた次への気持ちが伝わってきて、彼らが踊る姿が描かれる度に、「行け!」と応援せずにはいられないんですよ。


ただ、ただです。
この回の主役は、彼らではありませんでした


つっちーたちを気にするあまり、本来の力が出せていない宮大工ペア。
更にパートナーのダンスを楽しんでいるかという問いが、宮大工を悩ませていました。


それはとうとう、競技が始まっているにもかかわらず、動かないという事態にまで発展します。


ダンスをしていて楽しい?
それは宮大工のパートナーである小春が、ずっと聞けなかった言葉。
それは楽しくないという言葉を、彼女が聞きたくなかったからです。


なぜなら彼女は、宮大工と踊るのが楽しかったから。


今、宮大工が踊らないのは、明らかに彼女の言葉が原因です。
ここで踊らなければ、もう宮大工と踊ることはできなくなってしまうかもしれない。


それがたまらなく嫌で、彼女の表情と漏れた言葉に、僕の胸はキュンとしてしまいました。


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本当に、小春ちゃんは宮大工と踊るのが好きなんだと伝わってきました。
積み重ねた日々がある。想いがある。
紙面を飛び越して伝わってきた感情に、あてられてしまいました。


彼女の問いに対する宮大工の答えも、また良かったんですよ。
始めた理由は、人に長身が有利だと言われたからでした。


でもこれまで彼が続けてきた理由は、それじゃない。
気が付かなかっただけで、踊ることが楽しかった。
ダンスが好きで、小春と踊ることが好きで、だからこそ彼もまた今まで頑張ってこれたのでした。


そのことを、つっちーたちのダンスから気付かされたようです。


もうこれだけで凄い良い展開なのに、この漫画は僕の想像を超えてくる。


つっちーたちのダンスの良さに気づいた。踊ることが楽しいということにも気づいた。
けれど、そこでは終わらない。
まだ彼らを認められない。それは、楽しいということに気がついてしまったから。


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初めて見せる、宮大工の気持ちのこもった表情。自分の方が楽しいという意思表示。


競技者は敵同士ですら支え合う


四月は君の嘘の言葉を思い出して、震えてしまいました。
宮大工ペアが、明らかに次のステップへ進んだ瞬間です。
熱すぎるよもう!さっきキュンとしたばっかりなのに、もう別の感情が心の中を駆け巡っている。


つっちーはこの時驚いている一方で、御木くんは驚きながらも少し嬉しそうなのが面白い。
きっと、宮大工のそうした気持ちの入ったダンスを、彼は心の何処かで待ち望んでいたのでしょう。
そんな部分が垣間見えるから、この漫画は面白いんだよなあ。


今週のすじピンは、つっちー&わたり回以外の話としてはトップと言っていいほど素晴らしい内容です。
もうときめけば良いのか、熱くなれば良いのか……両方持ってけ!という感じでやられてしまいました。


単行本派に、早くこの話を読んでもらいたくてウズウズしています。
もっとみんなとこの凄さを、熱く話したいんだ!
少し宮大工視点で読むと、ちょっと目頭が熱くなるレベルです。大会が終わるまで泣くんじゃない!って自分に言いたい。


ますますすじピンが好きになった話でした。来週が待ち遠しい。。。

背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 1 (ジャンプコミックス)

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背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 2 (ジャンプコミックス)

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